排水不良転換畑で畦立て栽培したダイズ「エンレイ」の乾物生産・収量特性

タイトル 排水不良転換畑で畦立て栽培したダイズ「エンレイ」の乾物生産・収量特性
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2007~2009
研究担当者 古畑昌巳
足立一日出
大野智史
発行年度 2009
要約 排水不良転換畑で畦立て栽培したダイズは、排水良好転換畑に比べて開花期以降の生育が停滞すること、開花以前から個体当たりの分枝節数は少なく推移して花蕾数が少なくなった結果、稔実莢数および子実粒数は少なくなることによって低収となる。
キーワード 畦立て栽培、エンレイ、収量、ダイズ、排水不良転換畑
背景・ねらい 北陸研究センターで新しく開発された耕うん同時畝立て播種機を用いたダイズ栽培では、出芽・苗立ちが安定化するようになったが、近年は圃場整備が大区画化されてきており、畦が長くなることによって畝間の残水による湿害等の問題等が発生しているため、栽培期間全般を通しての総合的でかつ営農的な排水対策が重要となっている。そのため、圃場排水不良転換畑で栽培されたダイズの低収要因を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 排水不良転換畑で畦立て栽培したダイズは、排水良好転換畑で畦立て栽培したダイズに比べて地上部乾物重、LAI、窒素吸収量が開花期まで同様に推移するが、開花期以降、低く推移する。また、開花期以降の根の活性は低く推移する(図1)。
  2. 排水不良転換畑で畦立て栽培したダイズは、排水良好転換畑で畦立て栽培したダイズに比べて個体当たりの分枝節数が開花以前から少なく推移する(図2)。
  3. 排水不良転換畑で畦立て栽培したダイズは、排水良好転換畑で畦立て栽培したダイズに比べて個体当たりの花蕾数が少ないために個体当たりの稔実莢数も少なくなる(表1)。
  4. 排水不良転換畑で畦立て栽培したダイズは、排水良好転換畑で畦立て栽培したダイズに比べて㎡あたり稔実莢数、㎡あたり粒数は少なく、100粒重が小さい結果,子実収量は明らかに少なくなる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 北陸研究センター内圃場 (細粒強グライ土) で耕耘同時畦立て栽培した試験結果である。
  2. 畦立て栽培は、平畦栽培に比べて湿潤条件の現地営農圃場で湿害を回避することによって苗立ち数が向上し、収量が増加することは確認されている(平成16年度成果情報 重埴土に限らず砂壌土まで湿害回避できるダイズ耕うん同時畦立て播種技術)が、畦立て栽培によって十分な出芽が確保されるものの、ダイズ収量が低収となる場面において活用できる。
  3. 土地改良事業計画設定基準では、水田における畑利用の場合の計画暗渠排水量を30~50mm/日を標準と定めているため、標準以上の圃場を排水良好転換畑、標準未満の圃場を排水不良転換畑とする。
図表1 233747-1.png
図表2 233747-2.png
図表3 233747-3.png
図表4 233747-4.png
カテゴリ 湿害 水田 大豆 播種

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