ナス細胞質雄性不稔性の新たな系統とその稔性回復系統

タイトル ナス細胞質雄性不稔性の新たな系統とその稔性回復系統
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2003~2009
研究担当者 齊藤猛雄
松永 啓
斎藤 新
吉田建実
発行年度 2009
要約 種間雑種のナス台木用品種とナスとの交雑後代から得たCMS-1は、安定した細胞質雄性不稔性(CMS)を有する。同じ交雑後代から得た可稔性のFR-1-1は、CMS-1の稔性を回復させる遺伝子を有し、その稔性回復遺伝子は優性に遺伝する1因子と推定される。
キーワード ナス、細胞質雄性不稔性、稔性回復、F1採種、CMS
背景・ねらい F1品種が主流である野菜においては、自殖種子の混入を防ぎながら多量のF1種子を経済的に生産する必要がある。ナス科野菜においては、人工的な除雄によってF1採種が行われており、除雄ミスによる自殖種子混入や交配労力等の問題がある。これらの問題を解決するには、細胞質雄性不稔性を利用したF1採種システムの確立が必要である。そこで、ナスの新たなF1採種システムの確立に不可欠な細胞質雄性不稔系統および稔性回復系統を育成する。
成果の内容・特徴
  1. ナス系統CMS-1は、種間雑種のナス台木用品種「耐病VF」(タキイ種苗)とナス系統LS1934との交雑後代において分離した雄性不稔個体に、ナス栽培品種「AE-P08」を交雑して得た雄性不稔系統である(図1、図2)。
  2. CMS-1を種子親に用いたときのみ、種々のナス栽培品種・系統を交雑して得られる次代のすべてが雄性不稔性を示すことから、CMS-1の雄性不稔性は細胞質に由来すると推定される。
  3. CMS-1の有する雄性不稔性は、5年以上にわたる露地栽培、促成栽培、温室におけるポット栽培等の周年的栽培(最低気温7℃~最高気温45℃)においても稔性を回復しなかったことから(データ省略)、幅広い日長・温度条件で安定していることが確認されている。
  4. ナス系統FR-1-1は、「耐病VF」とLS1934との交雑後代から選抜した稔性回復系統で自殖可能である(図1)。CMS-1 の後代が有する細胞質雄性不稔性はFR-1-1 に由来する稔性回復遺伝子があると打ち消され、稔性が回復する(表1)。
  5. FR-1-1の有する稔性回復遺伝子は1因子で優性に遺伝すると推定される(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. F1品種の種子親にCMS-1の有する細胞質を利用し、花粉親にFR-1-1の有する稔性回復遺伝子を付与することによって、効率的なF1採種が可能となる。
  2. 細胞質雄性不稔系統および稔性回復系統については、共同研究契約等による分譲が可能である。
図表1 233834-1.png
図表2 233834-2.png
図表3 233834-3.png
カテゴリ 台木 なす 品種

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