放牧依存度、とうもろこしサイレージ併給の有無、日乳量別にみた濃厚飼料削減量

タイトル 放牧依存度、とうもろこしサイレージ併給の有無、日乳量別にみた濃厚飼料削減量
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2006~2009
研究担当者 須藤賢司
篠田 満
松村哲夫
藤田直聡
梅村和弘
発行年度 2009
要約 1日の放牧草採食量が乾物で8kg以上の場合、日乳量がとうもろこしサイレージ併給時に22-26kg、無給与時に20kg以上の範囲で濃厚飼料を大きく削減できる。放牧期間中にこの乳量域の個体が多い牛群ほど、濃厚飼料の削減効果が大きい。
キーワード 採食量、とうもろこしサイレージ、乳量、濃厚飼料、放牧
背景・ねらい 放牧草は家畜に直接採食されるため、サイレージや乾草とは異なり調製過程や給与時のロスが少なく、栄養価を高く維持できることから、わが国においてその多くを輸入に依存する濃厚飼料を一部代替できる。一方、酪農経営の放牧依存度や乳量水準は多様である。そこで、放牧飼養の実態に基づき、放牧依存度、とうもろこしサイレージ(CS)併給の有無および乳量別に、放牧導入による濃厚飼料削減量を舎飼飼養との比較により試算する。
成果の内容・特徴
  1. 北海道十勝支庁管内を中心とする放牧酪農経営84戸の現地調査結果によると、経産牛1頭あたり圃場面積が1.2haを下回る経営では、時間制限放牧の実施やCSの利用が認められる。そこで、酪農経営を放牧依存度により昼夜放牧(放牧草乾物採食量12kg/頭)、昼間放牧(同8kg/頭)および3時間放牧(同4kg/頭)に3区分する(表1)。
  2. 区分した放牧依存度とCS併給の有無別に、日本飼養標準と表2の前提条件により、1日1頭あたり濃厚飼料必要量を日乳量別に試算する。舎飼飼養と放牧飼養との間で日乳量が等しい場合に必要な濃厚飼料量を比較し、その差を放牧による濃厚飼料削減量とする。
  3. 1日の放牧草採食量が乾物8kg以上でCSを併給する場合、日乳量22-26kgでの濃厚飼料削減量が大きい。これと同条件でCS無給与の場合、日乳量20kg以上での削減量が大きいが、実際の給与量はCS併給時よりも多くなる。放牧草採食量が乾物4kgと放牧依存度が低い場合、放牧導入による濃厚飼料削減量は小さい(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 試算に用いた舎飼飼養での粗飼料採食量はほぼ上限値であり、実際はこの水準を下回ることが多いため、放牧導入による濃厚飼料削減量は本試算よりも増加する可能性がある。
図表1 233905-1.png
図表2 233905-2.png
図表3 233905-3.png
カテゴリ 経営管理 とうもろこし 乳牛

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