イチゴの密植栽培に対応した吊り下げ式高設栽培用ベッド間隔調節装置

タイトル イチゴの密植栽培に対応した吊り下げ式高設栽培用ベッド間隔調節装置
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2007~2009
研究担当者 長﨑裕司
中元陽一
田中宏明
畔柳武司
林 茂彦
河野 靖
発行年度 2009
要約 吊り下げ式高設栽培において、通路入口のスイッチで複数のベッドを動かして所定の通路幅に自動的に広げられるベッド間調節装置である。栽植密度を慣行の1.5倍にしても株当たり収量は低下せず、駆動部関係部材削減により低コスト化も可能である。
キーワード イチゴ、密植栽培、吊り下げ式高設栽培、ベッド間隔調節装置、低コスト化
背景・ねらい 吊り下げ式高設栽培ベッド可動装置(平成20年度共通基盤研究成果情報)を利用したイチゴ栽培では、栽植本数を慣行の約1.5倍に増やすことができ、単位面積当たりの増収が期待される。ただし、これまでの可動装置では、1ヶ所の通路に入るため複数のベッドを個別に動かすことから改善が求められており、合わせて装置の低コスト化も実現する必要がある。そこで、簡単な操作でベッドを連動して横移動させて作業通路を所定の幅に広げることができる低コストなベッド間隔調節装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 可動装置を備えた吊り下げ式高設栽培ベッドは、隣接ベッドの果実同士が接触しない状態にまで近づけて密植とするため、通路間隔を最小で約40cmまで狭めて配置する。ハウス間口6mで7ベッド(慣行5ベッド、1.4倍)、同8mで9ベッド(同6ベッド、1.5倍)が配置できる(図1)。
  2. ベッド間隔調節装置は、任意の通路入口または出口に設置した1つのスイッチを押すと、自動的に複数のベッドが連動して動き、通路を所定の幅(約1m)にまで広げられるようにしたものであり操作が容易である。
  3. 高密植栽培による株当たり果実収量の低下はなく、単位面積当たりで約1.5倍の増収となる(図2)。
  4. ベッド間隔調節装置も含んだ資材コストは、間口8m、長さ39m、敷地面積3.1a規模のハウスにおいて約150万円である(表1)。
  5. ベッドを長さ約5mのパイプで連結し、1つの駆動モータで2ベッドを動かすことでラック・ピニオンなどの駆動部関係部材を半減させる。図3の9ベッド配置(中央は固定ベッド)では、これまでの全てのベッドに駆動部を取り付ける場合に比べ、資材コストを約2割削減できる(表1データをもとに試算)。
成果の活用面・留意点
  1. 吊り下げ式高設栽培ベッド可動装置については、生研センターから出された平成20年度共通基盤研究成果情報「イチゴの高密植栽培が可能なつり下げ式高設栽培ベッド可動装置」の機構を採用している。
  2. 補強用の水平梁がないハウスについて、高密植吊り下げ式高設栽培ベッドを導入するためには、3mピッチで水平梁(高さ約2m、縦75mm横45mm肉厚2.3mm)を設置する必要がある。間口6mを超える場合には水平梁のたわみを防ぐため中柱(50mm角パイプなど)を取り付ける。
  3. 長さ33mのベッドの可動では、2ベッドを連結しても1ベッドと同じ駆動用モータ(DC24V、34W。ハウス側窓巻き上げ用)で十分である。
図表1 234110-1.png
図表2 234110-2.png
図表3 234110-3.png
図表4 234110-4.png
カテゴリ いちご コスト 低コスト

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