フラバノンは核内受容体PPARγを活性化し、脂肪細胞分化を促進する

タイトル フラバノンは核内受容体PPARγを活性化し、脂肪細胞分化を促進する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2006~2009
研究担当者 齋藤 武
阿部大吾
関谷敬三
発行年度 2009
要約 フラバノン型ポリフェノールの基本骨格を持つフラバノンは、脂肪細胞の分化および糖・脂質恒常性の維持に重要な核内受容体PPARγの活性化因子として機能し、脂肪細胞分化を促進する。また、グルコースの取り込みも促進する。
キーワード PPARγ、脂肪細胞、糖尿病、肥満、フラバノン
背景・ねらい インスリン抵抗性、すなわち2型糖尿病のようにインスリンが効きにくい状態は、脂肪細胞機能の低下(悪化)を伴うことが多い。2型糖尿病の治療薬であるチアゾリジン化合物には脂肪細胞の機能を高める効果があり、その作用機序として核内受容体であるペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPARγ)の活性化因子(リガンド)として機能することが知られている。したがって食品成分もしくはそれに類似した化合物からPPARγリガンド活性を持つ成分を見いだせれば、肥満やインスリン抵抗性の予防・改善効果が期待できる。
成果の内容・特徴
  1. フラバノン型ポリフェノールの基本骨格を持つフラバノンは核内受容体PPARγのリガンドとして機能する。この効果は既知のPPARγリガンドである糖尿病薬ロシグリタゾンには及ばないが、その効果が有意に認められる(図1)。
  2. ロシグリタゾンをはじめとするPPARγリガンドは脂肪細胞分化を促進することが知られるが、フラバノンも前駆脂肪細胞3T3-L1に対して常法で用いられる分化誘導剤共存下で、脂肪細胞分化の指標となる細胞内トリグリセリドの蓄積およびグリセロール3リン酸脱水素酵素(GPDH)の活性を促進する(図2)。
  3. フラバノンによる脂肪細胞分化促進効果は、分化誘導後6日目における脂肪細胞に特徴的な遺伝子(例えばPPARγ、ペリリピン、アディポネクチン)の発現の亢進によっても裏付けられる(図3)。
  4. フラバノンは分化した脂肪細胞のグルコース取り込みを促進する(図4)。この効果はインスリンの存在下、非存在下でも観察される。
成果の活用面・留意点
  1. フラバノンは脂肪細胞分化とグルコース取り込みを促進することより生体内において血糖を正常に維持することが期待できる。
  2. フラバノン自体は天然には存在しないが、これに構造が類似した食品成分に同様の効果を見いだせる可能性がある。
  3. 本結果は培養細胞での結果であり、動物個体でも肥満やインスリン抵抗性の予防・改善効果があるかどうかは今後詳しく調べなければならない。
図表1 234124-1.png
図表2 234124-2.png
図表3 234124-3.png
図表4 234124-4.png
カテゴリ 抵抗性

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