九州沖縄地域のキク圃場にはクマモトネグサレセンチュウが優占する

タイトル 九州沖縄地域のキク圃場にはクマモトネグサレセンチュウが優占する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2005~2009
研究担当者 上杉謙太
岩堀英晶
立石 靖
発行年度 2009
要約 九州沖縄地域のキク圃場には3種のネグサレセンチュウが広く分布し、そのうちクマモトネグサレセンチュウの検出頻度が最も高い。また、ネグサレセンチュウ発生圃場の1/3以上において2種以上が混発している。
キーワード キク、ネグサレセンチュウ
背景・ねらい 九州沖縄地域のキク圃場では、従来キク害虫として知られているキタネグサレセンチュウに加え、一部でクマモトネグサレセンチュウ、ニセミナミネグサレセンチュウの発生が確認されている。しかし、初発地以外での調査例は少なく、3種の分布や発生実態については明らかでない。これら3種は寄主範囲や発育温度特性が異なることが明らかになりつつあり、輪作等の耕種的防除法を検討する上では発生種を把握することが重要となる。そこで、九州沖縄地域のキク圃場におけるネグサレセンチュウ相を明らかにし、防除対策の参考に資する。
成果の内容・特徴
  1. 調査したキク圃場の44%はネグサレセンチュウ発生圃場である(表1)。
  2. 検出頻度が最も高いのはクマモトネグサレセンチュウ(検出圃場率29%)であり、次いでキタネグサレセンチュウ(同22%)、ニセミナミネグサレセンチュウ(同9%)である(表1)。
  3. ネグサレセンチュウ発生圃場(38圃場)の1/3以上(14圃場)において、2種以上のネグサレセンチュウが混発している(表1)。
  4. クマモトネグサレセンチュウ、キタネグサレセンチュウは九州沖縄全域に、ニセミナミネグサレセンチュウは九州に広く分布し(図1)、いずれの種でもベルマン法分離で土壌20gあたり100頭以上の高密度汚染圃場が見られる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. ネグサレセンチュウ発生圃場では混発が多い点に注意が必要である。キタネグサレセンチュウ、クマモトネグサレセンチュウに共通して効果のある線虫対抗植物については杉村・川崎(2008)の報告がある。
  2. 調査年は2005~2007年であり、被害の有無については調査していない。調査時のキク生育段階を統一していないため、表2のデータには生育後期に線虫密度がより高まる可能性のある圃場が含まれる。
図表1 234156-1.png
図表2 234156-2.png
図表3 234156-3.png
カテゴリ 病害虫 害虫 きく 防除 輪作

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