スルメイカ秋季発生系群の資源高水準期における稚仔の分布

タイトル スルメイカ秋季発生系群の資源高水準期における稚仔の分布
担当機関 (独)水産総合研究センター 日本海区水産研究所
研究期間 2003~2008
研究担当者 後藤常夫
発行年度 2009
要約 日本海では、スルメイカ秋季発生系群の稚仔の分布範囲が資源の低水準期から増加期にかけて著しく変化したことがわかっている。本研究では、これまで不明であった資源高水準期における稚仔の分布を明らかにした。本系群の資源動向を押さえる上で、今後も現行の調査を毎年行い、稚仔の分布範囲を把握していく必要がある。
背景・ねらい スルメイカ秋季発生系群の資源水準を出来るだけ早い段階で把握するために、日本海では稚仔分布調査が行なわれてきた。これまでの研究から稚仔の分布範囲は、資源低水準期に本州の中部沿岸域に縮小し、増加期には拡大、特に西部へ広がる傾向が見られた。すなわち資源の増減に伴う孵化海域の変化が示唆されている。しかし、資源高水準期における稚仔の分布範囲は不明であった。本研究では、日本海側11水産試験研究機関(青森県~島根県)による2003年以降の10月と11月の調査結果から(2003年は10月のみ)、資源高水準期における稚仔の分布を明らかにすることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 沿岸域を中心に設定した定点で、口径45cmリングネット(目合い0.335mm)を用いて、最大水深150mから海面までの鉛直曳きで稚仔を採集した。
  2. 稚仔の成長に伴う分布範囲の拡大を除くため、孵化海域に近いと判断される外套長1.5mm未満の稚仔の分布状況を海面1㎡当りの採集個体数で表わすとともに、さらに孵化後間もない個体も識別した(図1)。稚仔は、10月では日本海西部を中心に本州沿岸域に広く分布していたが(図1:2003年は省略)、11月になると日本海南西部にほぼ限定された(図2)。
  3. 調査海域を、資源低水準期に稚仔の分布範囲が縮小した海域を中心に3つの海区に分け、各海区の平均個体数を月別に求めた(図3)。採集数の多い海区は、10月では中部海区以西であったが、11月になると西部海区に限られた。10月の結果から、特に西部海区で2004年と2007年で採集数が減少した。両年とも沿岸域の50m深水温が20℃以上で覆われており、水温が分布に影響を及ぼすことが示唆された。
成果の活用面・留意点 資源高水準期における稚仔の分布範囲が明らかになったことから、この分布範囲から資源水準の推測が期待できる。しかし、本結果からは同時に水温が分布に影響を及ぼすことも示唆された。このことと今後予想される水温の高温化を考慮すると、10月の分布状況が11月に移行する可能性がある。したがって、スルメイカ秋季発生系群の資源動向を押えるには、現在の2ヶ月の調査を毎年確実に実施して、稚仔分布の把握に努めていく必要がある。
図表1 234281-1.png
図表2 234281-2.png
図表3 234281-3.png
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる