| タイトル |
なぜアカイカの秋生れ群と冬春生れ群は成長と回遊が大きく違うのか |
| 担当機関 |
(独)水産総合研究センター 遠洋水産研究所 |
| 研究期間 |
2006~2010 |
| 研究担当者 |
一井太郎
酒井光夫
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| 発行年度 |
2009 |
| 要約 |
アカイカの秋生れ群と冬春生れ群は、産卵期が連続しているにもかかわらず、成長と回遊が異なる。この謎について、有望な仮説「海洋環境の季節変化が両群の生活史環境に違いをもたらし、その結果、両群の成長パターンに違いが生じ、ひいては雄の回遊の有無も生じる」を提唱した。
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| 背景・ねらい |
北太平洋のアカイカは、中国、日本、台湾によって年間10万トン程度が漁獲されている。秋生れ群と冬春生れ群の2つの季節発生群からなり、いずれも亜熱帯域を産卵場とし、亜寒帯域を索餌場とする南北の季節回遊をする(図1)。この2つの季節発生群は産卵期が連続しているにもかかわらず、成長と回遊に大きな違いがあることが謎となっている。特に秋生れ群の雄では、回遊経路さえ不明である。そこで本研究では、各群の季節回遊経路を海洋環境の季節変化との関係で把握することにより、両群のこれらの違いの原因について調べた。
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| 成果の内容・特徴 |
(1)生活史に重要な海洋環境のうち、本種の産卵適水温域(表面水温(SST)21~25℃)および基礎生産フロントが季節的に南北移動をする(図2)。(2)そのため、生活史の前半(若齢・未成体期)に秋生れ群は生産力の高くなる亜熱帯前線を利用できるのに対し、冬春生れ群では生産力の低い亜熱帯領域しか利用できない(図2)。(3)その結果、秋生れ群は生活史の前半に成長が早く、雄は成長途上で成熟体長に達すると考えられるので索餌回遊する必要がなくなると推測され、成熟体長のより大きい雌のみ亜寒帯前線に北上回遊する。一方、冬春生れ群は生活史の前半に成長が遅く、後半(成体期)に成長を挽回するため雄も雌と共に生産力の高い亜寒帯前線へ北上回遊する(図2)。(4)以上、若齢・未成体時期の生息環境の違いが、両群の成長の違いをもたらし、ひいては雄の回遊の有無をもたらすという仮説を提唱した。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 不明となっている秋生れ群の雄の回遊について、亜熱帯前線に留まり回遊しないという可能性を示した。
- 秋生れ群の資源水準の年変化が、基礎生産フロントの南下位置の長期変動と関連することを把握するのに貢献した。
- 以上により、本種の資源利用や適切な資源管理に必要な基礎的知見が整備された。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| カテゴリ |
亜熱帯
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