箱罠による亜成獣以上のイノシシの捕獲には反応高40cm程度のトリガーが有効

タイトル 箱罠による亜成獣以上のイノシシの捕獲には反応高40cm程度のトリガーが有効
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2007~2010
研究担当者 仲谷 淳
新部公亮
松田奈帆子
矢野幸宏
丸山哲也
須永重夫
発行年度 2010
要約 縞の残るイノシシの幼獣(通称うり坊)では体高が約40cm止まりだが、縞が消えて1才を迎える亜成獣では体高が約50cmに達する。幼獣の捕獲を避け、亜成獣以上の大型イノシシを箱罠で捕獲するには、体高で反応するトリガーの高さは40cm程度が有効である。
キーワード イノシシ、箱罠、選択捕獲、反応高、飼育実験、野外実験
背景・ねらい イノシシによる農作物の被害が深刻なため、個体数を減少させる捕獲が奨励されている。近年、箱罠による捕獲技術が向上し、有害鳥獣駆除によるイノシシの捕獲数は増加している。しかし、その多くは幼獣である小型イノシシである。春に出産した親が子を失うと再妊娠するとの指摘があることから、幼獣を多く獲ることで捕獲数が上がっても、個体数の減少には直結しない可能性がある。そこで、亜成獣以上の個体を選択的に捕獲することのできるトリガーの反応高を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. イノシシ(飼育あるいは野生)の成長パターンは、縞の残る幼獣(通称うり坊、約4ヶ月齢未満)では体高約40cmまでであるが、1.0才の亜成獣では約50cmに達する(図1)。
  2. 飼育ケージ内に横糸を張ったトリガーを設置し、その下をイノシシに通過させて、トリガーの反応を調べた。トリガーは、イノシシが横糸に触れて、糸が引っ張られることで作動する。実験で用いたケージの大きさは、亜成獣では縦横各1m長さ4m、幼獣では縦横各1m長さ2mである。
  3. 飼育下でのトリガー反応試験では、幼獣の場合、横糸の高さが25cmで100%、30cmで45%の割合でトリガーが反応し、35cm以上では反応率13%と作動しにくい(図2)。一方、亜成獣では45cmで反応率80%と十分作動し、50cm以上では全く作動しない。
  4. 野外での捕獲実験では、通常、5~20cm程度と低く設定されるトリガーの作動位置を40cmの高さに上げると(図3)、20cm及び30cmの場合と比べて、100罠日当たりに捕獲される亜成獣以上の個体数は多く、また、1才以下の幼獣のみが捕獲される割合が減少して、亜成獣以上の大型個体を含む割合に増加傾向が見られる(図4)(χ2検定、P<0.10)。
成果の活用面・留意点
  1. 体高の違いにより、箱罠捕獲でのトリガーの反応高を変えることで、大型個体の捕獲推進と幼獣個体の捕獲回避ができ、より有効な個体数管理が可能となる。
  2. 箱罠に出現するイノシシの足跡の大きさに対応して、トリガーの反応高を調整すると捕獲効率が高まる。特に小さなうり坊が出現し始める春から夏にかけて、トリガーを高くすると、親の取り逃がしを抑制できる。
  3. トリガーの構造や材質によっては、反応時の遊びなどが異なるため、あらかじめ実際の反応高を確認する。
図表1 234373-1.png
図表2 234373-2.png
図表3 234373-3.png
図表4 234373-4.png
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