果樹園における化学肥料削減に資する適正施肥に関する取組の現状

タイトル 果樹園における化学肥料削減に資する適正施肥に関する取組の現状
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2009~2010
研究担当者 草塲新之助
井上博道
発行年度 2010
要約 果樹園では、樹種ごとの減肥基準策定割合は低く、策定を進めるためには周辺地域との連絡試験やデータ共有、現地実証試験が望まれている。低成分肥料の使用や配合肥料への低価格資材の利用など、取り組みやすい技術の導入は比較的進んでいる。
キーワード 施肥改善、アンケート調査、果樹園
背景・ねらい 近年の肥料価格高騰および環境保全型農業への転換に対する気運の高まりから、果樹園においても土壌診断に基づいた施肥設計と化学肥料削減に対する取り組みが行われつつある。しかしながら、果樹園ではリン、カリの土壌への蓄積量が多いため減肥した場合の結果が判然とせず、リン、カリの果実品質向上への現場の期待も大きいことから適正施肥が行われていない場合が多い。また、産地間での取り組みの程度の差が大きく、体系的なものとなっていない。そこで、果樹園における適正施肥に関する生産地の取組の現状と問題点等についてアンケートにより収集し、広く情報を共有することにより今後の全国的な適正施肥に対する方向付けに資することをねらいとする。
成果の内容・特徴
  1. 2009年11月~12月にかけて、47都道府県果樹土壌肥料担当者に対し、「果樹園における肥料高騰に対応した施肥改善等に関するアンケート調査」を実施した結果である。
  2. 樹種ごとの減肥基準の策定がなされている例は非常に少なく、減肥基準が策定されていても、果樹全般、あるいは畑作横断的な基準となっている(図1)。
  3. リン、カリ成分の含量が低い低成分肥料は過半数の都道府県で利用されており、実証試験を行っている都道府県も含めて取り組みが進んでいる(図2)。
  4. 配合肥料への鶏ふんや塩化カリ等の低価格資材の使用は、すでに使用している、あるいは使用する意向がある都道府県が半数を超えており、生産現場の期待は高い(図3)。
  5. 効率的施肥技術としては、肥効調節型肥料の利用が進んでいる。局所施用は、樹冠下施肥として多くの産地で実践されている(データ省略)。
  6. 減肥基準の策定や更新に関して、都道府県単位で対応可能な減肥試験や現地実証試験の他、都道府県の垣根を越えた連絡試験やデータの共有が必要とされている(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 行政として果樹園における適正施肥の推進において現状を把握することができるとともに、効果的な施策立案の参考となる。
  2. 研究、技術開発に関する都道府県の垣根を越えた連携の必要性の基礎資料となる。
図表1 234456-1.png
図表2 234456-2.png
図表3 234456-3.png
図表4 234456-4.png
カテゴリ 肥料 施肥 データ共有 土壌管理技術 土壌診断 その他の果樹

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