クリーピングベントグラス組換え体と交雑可能性のあるAgrostis属在来種の同定

タイトル クリーピングベントグラス組換え体と交雑可能性のあるAgrostis属在来種の同定
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2008~2010
研究担当者 高溝 正
清多佳子
山田敏彦
榎本 敬
発行年度 2010
要約 アメリカ合衆国で開発された除草剤耐性遺伝子組換えクリーピングベントグラス品種が将来我が国に導入された場合、レッドトップとコヌカグサは交雑する可能性がある。
キーワード クリーピングベントグラス、レッドトップ、コヌカグサ、交雑、遺伝子組換え体
背景・ねらい クリーピングベントグラス(学名Agrostis stolonifera, 和名ハイコヌカグサ、英名Creeping bentgrass, 以下CBと略)はゴルフ場の良質な芝草として広く用いられており、米国では除草剤グリホサート耐性の遺伝子組換え体が作出されている。将来一般栽培が承認された場合にはCBと近縁な野生種が我が国に自生するので、花粉を介した交雑による組換え遺伝子拡散の可能性がある。そこでCBと交雑可能性のあるAgrostis在来種を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 我が国に自生する各種Agrostis属植物(レッドトップ(RT)、コヌカグサ、ヒメコヌカグサ、ヤマヌカボ、バケヌカボ、ナンカイヌカボ)でCBと那須塩原市の野外での開花期が重なる種はRT、コヌカグサ、バケヌカボ、ヤマヌカボである(表1)。
  2. 上記の各種Agrostis属植物にエゾヌカボを加えたものを種子親、CBを花粉親として交配すると、RTとCB(図1)あるいはコヌカグサとCBとの間で雑種植物が得られる。雑種であることはrDNAを用いたサザン解析によりDNAレベルで確認できる(図2)。また、CBとRTとの雑種は高い花粉稔性を示し、放任受粉下で結実する。
  3. CBとRTとの雑種、及びその後代植物の競争性の一指標である乾物重について、ほ場における隣接条件下で栽培した場合に親植物と比較すると、札幌では雑種が親植物よりも高く、那須塩原では低い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. カルタヘナ法に基づきCB組換え体の第1種栽培承認申請を行う際に必要なデータへの参考となる。
  2. CBとRTの雑種、及びその後代の生育については気象条件の異なる札幌と那須塩原で異なる結果が得られ、より長期の観察が必要である。
図表1 234509-1.png
図表2 234509-2.png
図表3 234509-3.png
図表4 234509-4.png
カテゴリ 病害虫 くり 受粉 除草剤 品種

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