晩播栽培において多収で淡色味噌に好適なだいず新品種候補系統「あきまろ(旧系統名 四国3号)」

タイトル 晩播栽培において多収で淡色味噌に好適なだいず新品種候補系統「あきまろ(旧系統名 四国3号)」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2001~2010
研究担当者 高田吉丈
岡部昭典
猿田正恭
川瀬眞市朗
菊池彰夫
小野貞芳
発行年度 2010
要約 だいず「あきまろ」は「フクユタカ」並みの成熟期で、生態型が秋大豆型で晩播栽培において多収で子実の外観品質が優れ、淡色系味噌加工適性を有する系統である。中国四国地域で発生するダイズモザイクウイルスA2系統に抵抗性を有する。
キーワード ダイズ、味噌、ダイズモザイクウイルスA2系統抵抗性、晩播、品質
背景・ねらい 国内では年間約50万tの味噌が生産されており、その原料大豆の約9割が輸入品である。一方、世界的な大豆需要の増大による国際価格の上昇、消費者の食に対する安全・安心志向や地産地消への意識の高まりから、実需者の国産大豆に対する潜在的ニーズは高い。しかし、安定供給等の課題から国産大豆の使用は限られている。
近畿中国四国地域では淡色系味噌の生産および消費が多いものの、淡色系味噌原料に好適な既存品種は少ない。また、本地域で発生するダイズモザイクウイルスA2系統による減収や品質低下を回避するために、抵抗性品種の導入が重要である。そこで、味噌への国産大豆使用拡大を目指し、淡色系味噌に適した温暖地向けの安定生産・高加工適性品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「あきまろ(四国3号)」は2001年に長野県中信農業試験場(現:長野県野菜花き試験場)より分譲されたF6系統(母「東山系T683」、父「東山系T762」、1995年交配)を近畿中国四国農業研究センターにおいて選抜し、育成した系統である。
  2. 成熟期は「フクユタカ」と同程度の晩生で、最下着莢節位高が高い(表1、図1)。
  3. 生態型は秋大豆型で、育成地において標準播より晩播で収量が高く、倒伏程度が小さく、外観品質が優れる(表1)。奨励品種決定調査において、収量は標準品種と比べ標準播ではやや劣るが、晩播では多収である(図2)。
  4. ダイズモザイクウイルスA2系統抵抗性が「強」である(表1)。
  5. 淡色系味噌官能評価について、M社では5段階評価の5(良)と評価され、C研究所の順位付けでは8点中1位に評価されており、淡色系味噌加工適性が優れる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 栽培適地は中国四国地域の「フクユタカ」「サチユタカ」栽培地域である。
  2. 栽培を希望する産地や奨励品種候補として有望視している県があり、普及に向けた大規模な試作栽培や加工試験等に対応できるように品種登録申請を行う。
  3. 豆腐製造方法が同じ場合、「あきまろ」の豆腐の硬さは「フクユタカ」「サチユタカ」より柔らかい(表2)。
図表1 234738-1.png
図表2 234738-2.png
図表3 234738-3.png
図表4 234738-4.png
カテゴリ 加工 加工適性 新品種 大豆 抵抗性 抵抗性品種 品種

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