タイトル |
ダイズのラッカセイわい化ウイルス抵抗性の品種間差異と遺伝様式 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 |
2006~2010 |
研究担当者 |
猿田正恭
高田吉丈
菊池彰夫
川瀬眞市朗
岡部昭典
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発行年度 |
2010 |
要約 |
ダイズの114品種のうち「おおすず」、「リュウホウ」、「エンレイ」、「サチユタカ」等51品種はラッカセイわい化ウイルス(PSV)に罹病性である。また、ダイズのPSV抵抗性は単因子優性に遺伝し、少なくとも2つ遺伝子座が存在する。
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キーワード |
ダイズ、ラッカセイわい化ウイルス、抵抗性、品種間差異、遺伝様式
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背景・ねらい |
ラッカセイわい化ウイルス(PSV)は、ダイズに減収や褐斑粒による品質低下を引き起こす。これまでにも北海道、東北、北陸、近畿、中国地方と国内各地で発生が報告され、抵抗性品種の育成が望まれている。これまでの研究により、PSVには分離株PSV-K及びTに代表される宿主の反応、血清学的性質、理化学的性質の異なる2つのグループの存在が明らかにされている。一方、ダイズのPSV抵抗性は、一部の品種の抵抗性の有無が調査されているものの、近年の育成品種の抵抗性の有無並びに遺伝様式に関しては不明である。そこで、主要品種の抵抗性の有無及び抵抗性の遺伝様式を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- ダイズの主要品種のうち、「ユキホマレ」、「タチナガハ」、「フクユタカ」等63品種はPSV抵抗性、「おおすず」、「リュウホウ」、「エンレイ」、「サチユタカ」等51品種はPSV罹病性である(表1)。
- 抵抗性品種と罹病性品種の交雑後代のPSV接種に対する表現型は、F1は全て抵抗性、F2は抵抗性:罹病性が3:1に分離し(表2)、F3系統は、抵抗性:分離(抵抗性:罹病性が3:1の割合で存在):罹病性が1:2:1に分離することから(表3)、ダイズのPSV抵抗性は単因子優性に遺伝すると推定される。
- 3組の抵抗性品種間の交雑後代F2を用いた対立性検定の結果、「ヒュウガ」×「Harosoy」、「ヒュウガ」×「つるの卵1号」では全ての個体が抵抗性、「ヒュウガ」×「Peking」では抵抗性:罹病性が15:1に分離することから(表4)、ダイズのPSV抵抗性は「ヒュウガ」、「Harosoy」、「つるの卵1号」の抵抗性遺伝子の座位と「Peking」の抵抗性遺伝子の座位の少なくとも2座が存在すると推定される。
- 性質の異なるPSV分離株への各ダイズ品種及び抵抗性品種と罹病性品種の交雑後代F3系統の反応は、PSV-Kに対してはモザイク症状、PSV-Tに対しては葉巻を伴うモザイク症状と病徴に違いはあるものの、全ての品種・系統で抵抗性の有無は一致する(図表省略)。この結果より、この2分離株に対しての抵抗性は同一座に存在すると推定される。
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成果の活用面・留意点 |
- ダイズのラッカセイわい化ウイルス抵抗性品種育成の資料とする。
- 接種病原には、ダイズに軽いモザイク症状を引き起こすグループの代表として京都府由来の分離株PSV-Kを、葉巻を伴うモザイク症状を引き起こすグループの代表として鳥取県由来の分離株PSV-Tを用いた。
- 抵抗性の評価は、ウイルス罹病葉の摩砕液を汁液接種した後、1~3週間程度の観察で行った。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
大豆
抵抗性
抵抗性遺伝子
抵抗性品種
品種
モザイク症
らっかせい
わい化
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