タイトル | 農作物中のカドミウム低減対策技術集 |
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担当機関 | (独)農業環境技術研究所 |
研究期間 | |
研究担当者 |
荒尾知人 西尾 隆 牧野知之 村上政治 石川 覚 川崎 晃 |
発行年度 | 2010 |
要約 | 土壌中カドミウム濃度の低減、および生産段階における土壌中カドミウムの可食部への蓄積を抑制する技術に関する研究成果をとりまとめて提供します。 |
背景・ねらい | 農作物中のカドミウム低減対策技術として、これまで客土や水田の湛水管理が行われてきましたが、費用や栽培面で様々な課題を有しています。そこで、新たに開発された土壌浄化技術や農作物のカドミウム吸収抑制技術を分かりやすく整理して、試験研究機関や行政部局担当者を対象とした技術集を作成します。 |
成果の内容・特徴 | 客土工事には多額の経費がかかる他、非汚染土の入手も容易ではありません。また、カドミウム吸収を一時的に抑える技術として、水田の湛水管理は大変有効な技術ですが、用水の確保や湛水状態の定期的な確認が不可欠な上、水稲による土壌中ヒ素の吸収量や水田からのメタン発生量の増加といった課題を有しています。そこで、新たに開発された土壌浄化技術について、技術の概要、基本原理、技術的留意事項や効果の検証方法などをとりまとめました(図1)。 このうち、土壌の化学洗浄技術(図2)は汚染水田に塩化鉄を溶かした用水を入れて土壌とよく混合し、カドミウムを溶出させて排水することにより、土壌のカドミウム濃度を低減する実規模のオンサイト土壌浄化技術です。カドミウム高吸収イネ栽培による浄化技術(図3)は、カドミウム高吸収イネを「早期落水法(移植後最高分げつ期まで湛水、以後収穫時まで落水)」で2~3作栽培することにより、土壌のカドミウム濃度を低減する技術です。機性廃棄物を原料とする肥料の施用と作物のカドミウム濃度への影響評価に関する農環研における最近の成果を取りまとめ、農作物へのカドミウム蓄積に対する対策に携わる関係者の施策立案や研究開発の一助となる技術集を作成しました。 この内容は、冊子体の他、農業環境技術研究所のウェブサイトから、電子ファイル(PDF、http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/cadmium_control.pdf)として入手できます。 |
成果の活用面・留意点 | 本研究は農林水産省委託研究「農林水産生態系における有害化学物質の総合管理技術の開発」、「生産・流通・加工工程における体系的な危害要因の特性解明とリスク低減技術の開発」の成果です。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 加工 管理技術 水田 水管理 |