| タイトル | アマモ場における仔稚魚の定量採集方法の開発によるニシン仔稚魚の分布特性の解明 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)水産総合研究センター 北海道区水産研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
白藤徳夫 中川 亨 村上直人 市川 卓 安藤 忠 森岡泰三 |
| 発行年度 | 2010 |
| 要約 | 北海道厚岸湖は、アマモが大量に繁茂し水深が浅いため、一般的な採集方法では仔稚魚類の定量採集が困難であった。そこで、船外機船の船首部の船底に枠網のフレームを固定し、押し網のように曳網する定量採集方法を開発した。この採集方法によりニシン仔稚魚を定量採集した結果、主産卵場が湖内奥域であることが明らかとなり、また仔魚と稚魚では分布域が異なることが示唆された。 |
| 背景・ねらい | 北海道厚岸湖は厚岸湾と厚岸湖を主産卵場とする地域性ニシンをはじめ、チカ、キュウリウオ等の漁業対象種にとって、仔稚魚期の重要な成育場になっている。当所ではニシン資源管理のための基礎的知見である初期生態の解明を目的に、数年前より仔稚魚の分布調査を実施してきたが、以下の理由により採集が困難な状況にあった。(1)湖内の大部分が水深2m以浅であるため、丸稚ネット等の採集ネットを船尾から曳くと採集器具が船外機船の曳き波の影響を大きく受ける。(2)湖内のほぼ全域にアマモが繁茂しているため、スクリューで刈られたアマモが大量に入網し、長い距離の曳網が困難である。(3)網口に取り付けたろ水計にスクリューで刈られたアマモが絡むため、ろ水量が計測できないことが頻繁に生じる。そこで、新たな採集方法を開発し、湖内におけるニシン仔稚魚の定量採集を試みた。 |
| 成果の内容・特徴 | 船外機船の船首部の船底に枠網のフレーム(0.6×2.0m)を固定し、押し網のように曳網した(図1、2)。その結果、曳き波やアマモの影響は少なく枠網を安定して数百メートル曳網することが可能となり、仔稚魚類を大量に採集することに成功した。そこで、2009年4、6、7月に厚岸湖内に設定した9カ所の定点において仔稚魚の定量採集調査を行い、ニシン仔魚を選別し、採集尾数の計数、体長の測定を行った。採集されたニシンは全長16.5±3.3mm(平均値±標準偏差)の仔魚であった(図3)。ニシン仔魚と共に採集されたその他の仔稚魚の中には30~40mmのチカ等の稚魚がいたことから、本調査でニシン稚魚が採集されなかったのは採集方法によるものではなく、湖内調査域からニシン稚魚が移動したためと考えられる。ニシン仔魚は湖内の奥域および湖内に流入する河川の河口付近で多く採集された(図4)。また、湖内奥域でふ化後間もない仔魚が多く採集されたことから、湖内奥域が厚岸湖での主産卵場と考えられる。 |
| 成果の活用面・留意点 | (1)本採集方法の開発によって、仔稚魚の成育場として重要な海藻(草)類が繁茂している浅海域での仔稚魚類の定量採集が可能となった。(2)今後調査を継続することによってニシンの初期生活史が明らかになるとともに、それらを基にニシンの資源管理手法の開発および資源変動要因の解明が期待される。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| カテゴリ |
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