タイトル |
大規模屋上緑化におけるセル成型苗の機械吹き付け植栽法 |
担当機関 |
兵庫農総セ |
研究期間 |
2006~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
畝立て成型マルチャに施肥機を搭載し、マルチ被覆と同時に表層5cmに肥料を混和する畝内局所施肥を行うと初期から生育が旺盛となる。施肥量は慣行の全面全層施肥の窒素成分30kg/10aに比べ2/3に減肥でき、結球重や球の形状にも優れる。
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キーワード |
屋上緑化、セダム類、セル成型苗、吹き付け植栽
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背景・ねらい |
都市のヒートアイランド現象は、大きな社会問題となっており多くの地方公共団体で条例により屋上緑化が推進されている。しかし、ほとんどの緑化方法は、事前に育成したマット状の製品を人手により設置するため施工費が高額となり、比較的小面積の緑化にとどまっている。
そこで、屋上緑化で多く用いられているセダム類などのセル成型苗を機械で吹き付け、広い面積を短時間で安価に施工する方法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 植栽方法は、448穴セルトレイで育成したセダム類などのセル成型苗を60個/m2換算で、ピートモスを主とした培養土、水、化成肥料、保水剤と共にタンク内で混合撹拌し、圧縮空気でホース内を圧送して植栽面に撒くように吹き付ける(図1)。吹き付け植栽に要する時間は、緑化面積200m2当たり約10分(4tトラックに搭載可能な空気による撹拌装置付きの2,000リットルタンクの場合)である。
- 植栽は、セダム類(ツルマンネングサ、サカサマンネングサ、タイトゴメ、コーラルカーペット)、ヒメイワダレソウ、マツバギクなど数種類の等量混植で行う。
- 6月に植栽したセル成型苗の活着率は、発泡コンクリート・ココヤシ堆肥主体である5cm厚の基盤材が3cm厚より高い(図2)。また、5cm厚の同基盤材の被度は、3か月後には約70%となり、その後植物の休眠期である冬季にやや低下するが、春から秋の生育期間には80%以上を維持する(図3)。
- 植栽後、季節により年数が経過するに従い優占する種類が変化し、数年後の夏にはツルマンネングサの優占率が高くなる(表1)。
- 施工費用は、防水防根シート敷設など各種資材、5cm厚の基盤材及びセル成型苗の吹き付け植栽を含め、既存工法の約半額の10,000円~12,000円/m2である。
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成果の活用面・留意点 |
- 事前に、肥料の種類に応じて施肥機の時間当たり繰り出し量を調べ、トラクタの走行速度に応じて、目標の施肥量になるよう本植栽法の適用場所は、大規模商業施設や駐車場など20m以下の建物(6階程度まで)の平坦なコンクリートスラブの屋上で、緑化面積が広いほど効率的である。
- 防水防根シート、灌水設備、集排水パイプなどの設置は、一般的な既存工法を採用し、最低5cm厚(60kg/m2)の基盤材を敷きならす。汚泥処理土・バーク堆肥主体の基盤材も、発泡コンクリート・ココヤシ堆肥主体基盤材と同様に本施工法に使用できる。
- 植栽可能なその他種類は、メキシコマンネングサ、リシマキア、ポテンティラである。
- 本植栽法は、被覆完成までにやや期間を要することから、植物の生育適期である春から夏までの施工が望ましく、植栽時と植物の生育期には灌水を行う。さらに、植生の維持には、施肥(N成分5g程度/m2・年)や定期的な除草も必要である。
- 本植栽法の詳細に関する問い合わせは、テクノアシスト株式会社電話086-225-3715、
http://www.ohmoto.co.jp/gcp/
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
馬
除草
施肥
リシマキア
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