タイトル | 35. 高濃度食塩存在下で分泌される酵母キラー因子前駆体 |
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担当機関 | 食品総合研究所 |
研究期間 | 1996~1998 |
研究担当者 |
鈴木チセ |
発行年度 | 1998 |
要約 | 耐塩性酵母Pichia farinosaは、高濃度食塩(1M)を含むYPD培地で培養すると、培地中にキラー因子前駆体を分泌する。この前駆体の分泌現象は、翻訳後、培地中の食塩によって制御を受けている。 |
背景・ねらい | ある種の酵母は、蛋白質性の毒素を分泌して他の酵母の生育を阻害する。この、酵母が生産し、酵母に特異的な毒素をキラー因子と呼んでいる。味噌麹から分離された耐塩性酵母Pichia farinosaもこの性質を有しており、分子量14,000のαβサブユニットからなるキラー因子SMKTを分泌する。p.farinosaは、高濃度食塩存在下YPD培地で培養するとSMKTの前駆体と思われる蛋白質を分泌する。1M以上の高濃度食塩存在下で生育可能な耐塩性酵母の蛋白質の分泌系は、解析の進んでいるSaccharomyces cerevisiaeとは異なることが予想されるため、この前駆体様蛋白質を精製し、アミノ酸配列を明らかにするとともに、転写、翻訳レベルにおける食塩の影響について検討する。 |
成果の内容・特徴 |
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成果の活用面・留意点 | 耐塩性酵母の分泌機構と食塩との関係をさらに分子レベルで解析するとともに、P.farinosaの宿主ベクター系が構築できれば、食塩により制御可能な分泌発現系への応用が可能である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
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