タイトル | 2.官能評価パネルの評価能力解析用プログラム |
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担当機関 | 食品総合研究所 |
研究期間 | 1998~2000 |
研究担当者 |
内藤成弘 |
発行年度 | 2000 |
要約 | 評点法または順位法で3試料以上を反復評価したデータを、表計算ソフトのワークシート上に決められたフォーマットで入力し、マクロプログラムを起動すると、官能評価パネル全体および各パネリストの評価能力に関するノンパラメトリック統計量を計算し、図表を自動的に出力する。 |
背景・ねらい | 再現性があり信頼できる官能評価データを報告するには、ISO(International Organization for Standardization)やASTM(American Society for Testing and Materials)の官能評価に関する規格やマニュアルが海外では広く引用されている。これらの規格に対応するには、少数パネル(20名以下)が分析型項目について定量的な評価を行う場合に、パネルの選抜・訓練が必要である。そして、パネル候補者の参加意欲と評価能力を高めるためには、選抜・訓練結果を速やかに本人に知らせ、良い点悪い点を理解させる必要がある。そこで、パネルの評価能力に関する統計量を計算し、図表を自動出力するExcelプログラムを開発した。 |
成果の内容・特徴 | 1.Excelのワークシート上に決められたフォーマットで評価項目毎にデータを入力し、マクロプログラムを起動するだけでパネルの評価能力を簡単に解析できる。 2.評点法または順位法で3試料以上を反復評価したデータについて、データの入出力情報を設定(図1,2)すると、パネル全体およびパネリスト毎の評価能力に関する統計量を計算し、図表を自動的に出力する(図3、表1)。 3.パネル選抜初期などでは、他のパネリストと大きく異なる評価をする人がいたり、評価の反復数が少ない場合を考慮して、評価能力を判断するための統計量にはノンパラメトリック統計量を採用した。例えば、評価の再現性の指標にはKendallの一致性の係数W、評価の妥当性の指標には全体の合意順位と各パネリストの平均順位のKemdallの順位相関係数、外れ値の検出に箱ひげ図の内境界点を利用している。 |
成果の活用面・留意点 | 1.Excel97でプログラム開発を行ったため、他のバージョンでは動作確認が必要である。 2.各パネリストには試験終了後速やかに、図3と各自の評価結果(表1)を一緒に返却し、問題点などの改善に努めることが望ましい。 3.本プログラムの出力は、パネルの評価能力だけでなく、試料、評価手法、評価手順などが適切かどうか判断するためにも活用できる。 4.パネル全体の合意順位の自動計算の一部に、立教大学の山口和範教授が開発し、インターネット上で公開されているExcel用の主成分分析のDLL(ダイナミックリンクライブラリ、http://www.ir.rikkyo.ac.jp/~kazunori/excelpca/excelpca.html)を利用している。 |
図表1 | |
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