日本と韓国における水稲収穫量変動の特徴と推定

タイトル 日本と韓国における水稲収穫量変動の特徴と推定
担当機関 農業環境技術研究所
研究期間 1991~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約
日本と韓国の水稲収穫量がしばしば同時に変動する。この現象は,オホーツク海高気圧の変動に注目した解析により説明することができる。この関係に基づき,夏期の気温偏差に応じた水稲収穫量を推定すると,日本の東北地方の平均気温が-1℃~+1℃偏じた場合に日本と韓国の総水稲収穫量は-4%~+3%変動する。
背景・ねらい
人口増加,環境悪化,異常気象などが,将来の食糧生産に及ぼす影響の評価が急務である。東アジア各地では,近年発生した異常気象により農業生産量に極めて大きな変動が現われた。この変動は日本と韓国でほぼ同年に発生する特徴がある。オホーツク海高気圧などの気候システムの変動に注目することにより,固有の地域を対象とした収穫量変動を推定が可能になる。
成果の内容・特徴
  1. 日本と韓国の県,道単位の水稲収量の年々変動の標準偏差(統計期間1970年~1994年)は,日本の東北-北海道地域で最も大きく1t/haに達し,韓国の全道および日本の東北地方以外の地域では0.2t/ha~0.7t/haである。これより,日本と韓国の収穫量変動推定に際して,東北-北海道地域の気温変動は重要な要素である。
  2. この理由は,オホーツク海高気圧から南下する寒冷な北東気流(ヤマセ)の水稲生育への影響が,東北地方を中心に大きいためである。代表的な冷夏の気象状況(図1)では,北東気流は韓半島沿岸地帯にもほぼ同時に到達し,水稲収量減少の要因となる(図2)。脊梁山脈の西側ではフェーンが発生するため低温の影響は比較的小さい。北海道は水稲栽培地域が限られるため,他地域との比較には注意を要する。
  3. 東北地方における7月~8月の平均気温の偏差(ΔT )と東北地方および韓国の水稲収量偏差(ΔY )との間に,ΔY = -0.074 ΔT 2 + 0.319 ΔT + 0.117,相関係数r = 0.685(信頼度 98%で有意)の関係がある(図3)。
  4. この関係を利用し,気温偏差に応じた水稲収穫量の変動の割合を推定した(表1)。7月と8月の平均気温が±1℃偏ずると,東北地方と韓国の総収穫量(P )は,-9%<P <+6% 変動する(ケース1)。日本の東北-北海道地域以外では平年並みと仮定した推定をおこなうと,両国の総収穫量の変動幅は相対的に縮小し,-4%<P <+3% 変動する(ケース2)。偏差が負の場合には収穫量変動幅はより増幅する。

成果の活用面・留意点
大規模な集中豪雨が発生した年は,推定の信頼性が低下する。
図表1 235107-1.gif
図表2 235107-2.gif
図表3 235107-3.jpg
図表4 235107-4.jpg
カテゴリ 水稲

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる