| タイトル | 超音波を使って木材のめり込み強さを推定する |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
井道 裕史 加藤 英雄 長尾 博文 |
| 発行年度 | 2011 |
| 要約 | 木材のめり込み強さを非破壊的に調べるためには、超音波が木材の横方向に伝わる速度を測定することにより、強さを精度良く推定できることがわかりました。 |
| 背景・ねらい | 木造建築物の安全性を向上させるためには、木材の強さを正確に測定する必要があります。木材の縦方向の強さ、すなわち曲げ強さ、縦圧縮強さ、縦引張り強さに対しては、非破壊的に測定した縦方向の動的ヤング係数との相関が高いことがわかっています。一方、めり込み強さに代表される木材の横方向の強さは、縦方向の動的ヤング係数では精度良く推定できませんでした。そこで、超音波を用いて木材の横方向の動的ヤング係数を測定し、めり込み強さとの関係を調べました。その結果、横方向の動的ヤング係数とめり込み強さとの相関係数は高く、従来推定が困難であっためり込み強さも非破壊的に精度良く評価できることがわかりました。 |
| 成果の内容・特徴 | 木材の非破壊評価木材の強さを調べるためには、実際に破壊して、そのときの力を測定するのが最も確実な方法です。しかし、一旦破壊した木材はもう使用することができません。そこで、住宅部材等に使用する木材は、破壊させずに(非破壊的に)強さを推定することが必要となります。木材の曲げ強さ、縦圧縮強さ、縦引張り強さは、非破壊的に求められる縦方向の動的ヤング係数との相関が高いことが知られています。そのため、縦方向の動的ヤング係数は、これらの木材の強さを推定する非破壊パラメータとして広く利用されています。縦方向の動的ヤング係数を求める方法としてよく用いられるのは、縦振動法、応力波伝播法、超音波伝播法です。縦振動法は、木材の一方の木口面をハンマーで叩き、縦(材軸)方向の自由振動を起こします。発生した縦振動音をマイクで収録し、音の固有振動数を測定します。得られた固有振動数と木材の密度から動的ヤング係数を計算します。応力波伝播法と超音波伝播法は、木材の一方の木口面から応力波や超音波を発生させ、反対側の木口面に到達するまでの伝播速度を測定します。得られた伝播速度と木材の密度から動的ヤング係数を計算します。木材の横方向の非破壊評価前述した曲げ強さ、縦圧縮強さ、縦引張り強さは、木材の縦方向の強さを示すものです。一方、柱が土台にめり込む場合などのめり込み強さは、木材の横方向の強さになります。これまで、木材の横方向の強さは、縦方向の動的ヤング係数では精度良く推定できませんでした。そこで、著者らは木材の横方向の動的ヤング係数を測定し、めり込み強さとの関係を調べることにしました。横方向の動的ヤング係数の測定には、最も簡便で確実に測定できる、超音波伝播法を用いました(写真1)。横方向には、木材がめり込む方向とめり込む方向に直交する方向があるため(図1)、(1) めり込み方向の動的ヤング係数、(2)めり込み直交方向の動的ヤング係数、の両方向を測定しました。その他の非破壊的パラメータとして、(3)縦振動法によるヤング係数、(4)密度を測定しました。使用した樹種は、ヒノキとベイヒバです。各非破壊パラメータを測定後、めり込み試験(写真2)を行い、めり込み強さを求めました。各非破壊パラメータとめり込み強さとの関係各非破壊パラメータとめり込み強さとの相関係数を調べた結果、ヒノキ、ベイヒバともに、(1)めり込み方向の動的ヤング係数が最も相関が高く(図2)、次いで(4)密度との相関が高いという結果でした。(2)めり込み直交方向の動的ヤング係数はベイヒバで相関はありましたが、ヒノキではありませんでした。(3)縦振動法によるヤング係数はヒノキ、ベイヒバともに相関はありませんでした。以上の成果により木材のめり込み強度が推定でき、建築物の安全性向上に寄与することが期待できます。 詳しくは、「井道ほか、木材工業、65(10):448-451、2010」をご覧ください。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| カテゴリ |
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