| タイトル | 林地残材から開発した空気浄化剤 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
大平 辰朗 松井 直之 金子 俊彦 田中 雄一 |
| 発行年度 | 2012 |
| 要約 | 未利用な林地残材である枝葉を原料として、二酸化窒素等の環境汚染物質を効果的に除去する空気浄化剤を開発し、商品化しました。原料はトドマツの伐採時に排出される枝葉であり、そこから採取した精油を活用します。 |
| 背景・ねらい | 排気ガスなどから出る環境汚染物質(二酸化窒素等)は、我々が毎日吸っている空気に微量ながら含まれており、様々な疾病の要因になると言われています。従って、それらの効果的な除去法を開発することは、人間の健康増進を図る上で極めて有用です。私たちは、環境汚染物質を効率的に除去し、空気を浄化する精油の機能とそれらに関与する有効成分を新たに発見するとともに、それらの抽出原料として未利用林地残材であったトドマツの枝葉が利用できることを見出しました。さらに、トドマツ精油を活用した革新的な空気浄化剤の開発を企業との共同研究によって推進し、商品化を行いました。 |
| 成果の内容・特徴 | トドマツ精油は二酸化窒素の除去効率が高く、過酸化脂質*の生成を大幅に抑制する排気ガスなどに含まれる環境汚染物質(二酸化窒素等)は、様々な疾病の要因になると言われています。従って、それらを効果的に空気中から除去する方法の開発は、人間の健康増進を図る上でも重要な課題です。樹木精油には、これまでに高いリラックス効果や抗菌、防虫作用などを有することが知られていましたが、今回新たに二酸化窒素等の環境汚染物質を効果的に除去できる機能をあわせ持つ精油を見出すことができました(図1)。更に、その精油中から除去活性の高い有効成分を特定することができました。二酸化窒素は、生体の脂質を酸化して過酸化脂質を生成することで疾病の要因となりますが、トドマツ葉部から得られる精油蒸気を添加すると過酸化脂質の生成が最大80%以上抑制されました。これらの機能は排気ガスを含む実際の空気でも確認でき、空気浄化剤としての実用に適していることがわかりました(図2)。省エネルギー型の精油採取装置の開発と林地残材からの大量抽出環境汚染物質を効果的に除去できるトドマツ精油は、現在ほとんど利用されていない枝葉等の林地残材から抽出できます。そこで新たな精油採取装置(減圧式マイクロ波水蒸気蒸留装置)を開発し、経済的な大量抽出を開始しました。この方法は減圧条件で、加熱方法にマイクロ波を利用して水蒸気蒸留を行うもので、抽出効率の向上、廃棄物の低減化を実現する省エネルギー型の画期的な装置です。消費エネルギーが一般的な水蒸気蒸留法に比べて大幅に削減ができるため、商品化が可能となりました(図3)。革新的な空気浄化剤の開発と商品化環境汚染物質の除去効果の高いトドマツ精油を原料として、革新的な空気浄化剤を企業と共同開発し、「クリアフォレスト」という技術ブランドを立ち上げました(図4)。これらの成果を基にした関連商品として、加湿・芳香・消臭剤等の商品化を行いました。これらの成果を活用することにより、我々の生活環境の空気を効果的に浄化することが可能となり、快適な生活環境の創造が実現できます。さらに、これまで未利用であった枝葉等の林地残材の有効利用にもつながり、北海道のトドマツ林業の収益にも寄与すると思われます。 詳しくは、大平辰朗、松井直之、金子俊彦、田中雄一(2010)、AROMARESEARCH、11(2):148-155、大平辰朗(2012)、においかおり環境学会誌、43(2),138-154をご覧ください。 また、減圧式マイクロ波水蒸気蒸留法および空気浄化剤については、特許出願中です。 本研究は、一般研究費による実行課題「未利用森林資源の高度利用を目的とした樹木抽出成分の利用技術の開発」による成果であり、日本かおり研究所株式会社と共同で推進しました。 *過酸化脂質 脂質が酸素等の影響により過度に酸化されたものの総称で、様々な疾病の要因となる。環境汚染物質の一種である二酸化窒素は微量でも脂質を酸化し、過酸化脂質を生成する。 |
| 図表1 | ![]() |
| 研究内容 | http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2012/documents/p28-29.pdf |
| カテゴリ | 省エネ・低コスト化 |
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