森林総研の木材関係の研究成果を実際の建物で検証するためのモデル木造住宅が完成しました

タイトル 森林総研の木材関係の研究成果を実際の建物で検証するためのモデル木造住宅が完成しました
担当機関 (独)森林総合研究所
研究期間
研究担当者 林 知行
末吉 修三
杉本 健一
青木 謙治
森川 岳
恒次 祐子
宇京 斉一郎
小林 久高
軽部 正彦
原田 真樹
長尾 博文
加藤 英雄
井道 裕史
三浦 祥子
渋沢 龍也
井上 明生
平松 靖
宮本 康太
新藤 健太
宮武 敦
塔村 真一郎
桃原 郁夫
大村 和香子
松永 浩史
木口 実
鈴木 養樹
外崎 真理雄
松村 ゆかり
塙 藤徳
発行年度 2012
要約 森林総研が研究開発にかかわった木質材料を使用したモデル木造住宅を建設し、試験住宅でしか実施できない部材・躯体・劣化・省エネ・環境振動・心理特性・居住快適性・室内空気質等に関する諸研究を行いました。
背景・ねらい 森林総研で研究開発された各種の木質材料やその関連技術を応用したモデル木造住宅を本所敷地内に建設し、部材性能・躯体性能・劣化対策・省エネ・環境振動・心理特性・居住快適性・室内空気質等に関する諸実験を行いました。また、今後も経時変化を調査していきます。これまで、実際の戸建て木造住宅を用いて、建設の初期から構造体の性能変化を経時的に測定した例はなく、また内装材に由来する快適性や音・振動に関する居住性を複合的かつ系統的に研究した例もありませんでしたので、本研究で得られたデータや抽出された問題点は今後の研究開発を進めるための貴重な資料となります。
成果の内容・特徴

背景・目的

森林総研での木質材料に関する研究開発は、実験室レベルのものが主体であったため、実際の木造住宅への応用に関する諸問題については、直接データを得ることができませんでした。そこで、森林総研で研究開発された各種の木質材料やその関連技術を応用したモデル木造住宅を本所敷地内に建設し、部材性能・躯体性能・劣化対策・省エネ・環境振動・心理特性・居住快適性・室内空気質等に関する諸実験を行いました。わが国では、実際の戸建て木造住宅を用いて、建設の初期から構造体の性能変化を経時的に測定した例はなく、また内装材に由来する快適性や音・振動に関する居住性を複合的かつ系統的に研究した例もありませんでした。
写真1が完成したモデル木造住宅の外観です。

研究成果

木造住宅の柱材に生じるひずみ量を竣工当初から経時的に測定しました。また、建物の固有振動数*の変化を常時微動*測定により建設工事中及び竣工当初から追跡しました。これらのデータは、新築あるいは既存住宅の構造安全性、劣化危険度の判定の基礎データとして活用していきます。数種の構造用合板について、周囲の温・湿度と部材の平衡含水率*との関係を明らかにしました(図1)。この関係を利用すると、実際使用環境下の部材含水率を測定することで部材の使われている近傍の局所的な湿度環境を推定することができます。
モデル木造住宅の竣工後のVOC*の経時変化(図2)、温熱・音・振動環境に関わる物理実験および被験者を用いた生理実験(写真2、図3)に基づいて、モデル木造住宅の居住快適性を評価しました。
被験者を用いた生理実験について詳しく説明します。モデル木造住宅の2階に設けられた、広さと窓やドア等の配置が同じ2室について、1室は地域材を多用した内装、もう1室はフローリングのみ木質の内装に改装しました。被験者は20代の男性19名とし、改装した2室に入室した際の視覚刺激と嗅覚刺激による脳活動、血圧、脈拍数、心拍変動性の計測、および居室内装に関する主観評価と気分評価を実施しました。主観評価、気分評価では地域材を多用した部屋の方が「自然な感じがする。」と評された他には両部屋にあまり差はありませんでしたが、生理応答試験では地域材を多用した部屋の方が心拍数の変化が少ない、副交感神経系の活動が高いなど、リラックスしていることを示すデータが得られました。

研究成果の利・活用

戸建ての木造住宅を用いて、施工段階から得られたデータを蓄積しオープンにした例はほとんどなく、今後の研究開発の貴重な資料となります。木造住宅の設計・施工に携わる実務者からも注目されています。また、木質内装が人にやさしいことが生理的に実証されたことは、木造住宅の建設促進のみならず、非木造住宅の内装の木質化の推進に役立ちます。本プロジェクト研究は平成23年度で終了しますが、今後も調査を継続し、各種の性能や劣化傾向を明らかにしていきます。

本研究は、「予算区分:交付金プロジェクト、課題名:地域材を利用した安全・快適住宅の開発と評価」による成果です。

*固有振動数
この振動数で揺らすと激しく揺れる(「共振」を生じる)振動数。
*常時微動
地盤や建物は、人体では感じないほどの微小な振動で絶えず揺れており、その揺れを常時微動という。
*平衡含水率
木材・木質材料をある温度・湿度下で長時間放置したときに収束する含水率。
*VOC
VOCとはVolatile Organic Compoundsの略で、常温で揮発しやすい有機化合物のこと。
図表1 235332-1.jpg
図表2 235332-2.gif
図表3 235332-3.gif
図表4 235332-4.jpg
図表5 235332-5.gif
図表6 235332-6.jpg
図表7 235332-7.gif
図表8 235332-8.gif
研究内容 http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2012/documents/p20-21.pdf
カテゴリ 省エネ・低コスト化

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