ヤマトシジミが生息する汽水環境とシジミの品質との関係

タイトル ヤマトシジミが生息する汽水環境とシジミの品質との関係
担当機関 (独)水産総合研究センター 中央水産研究所
研究期間 2009~2010
研究担当者 阿部信一郎
井口恵一朗
村田裕子
発行年度 2011
要約 ヤマトシジミが生息する汽水域環境と品質との関係を調べた。小川原湖内数地点において塩分・底質などの環境情報を調べ、採集したヤマトシジミから生息密度や成長などの生態情報および軟体部の遊離アミノ酸・有機酸・核酸関連物質組成を調べた。その結果、ヤマトシジミ軟体部の遊離アミノ酸および有機酸組成は生息汽水域の塩分、水温およびシジミ個体の大きさに影響することを確認した。
背景・ねらい ヤマトシジミが生息する汽水湖は河川から淡水が流入する場所と海へ湖水が流出し満潮時に頻繁に海水が流入する場所があり、塩分濃度が場所により異なっている。また、水深の深い場所と浅い場所でも溶存酸素量や塩分濃度が異なるなど環境が様々である。ヤマトシジミの体成分は浸透圧変化に対応して変化すると言われている。このような特有の汽水環境は、シジミの品質に大きく影響すると考えられる。本研究では、小川原湖における汽水環境とシジミの品質との関係を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 2009年7月および12月、2010年7月に小川原湖内の5地点および高瀬川において塩分などの環境を調べ、ヤマトシジミを採集し、可食部の呈味成分を分析した。
  2. 2009年7月の調査では、湖北のほうが、塩分濃度が高かった。湖南、湖北とも浅いところのほうが、溶存酸素濃度、水温が高く、塩分は低い傾向にあった。シジミの食物と考えられる湖水中の懸濁有機物濃度は河口側の浅いところで高かった。底質は湖南側の深いところで、中央粒径は著しく小さく、全硫化物濃度が高かった。このことから、各地点によって、環境要因に差があることがわかった。
  3. 大型個体について、アミノ酸および有機酸の含有量から地点間の相関係数を求め、呈味成分組成の類似性を調べた。呈味成分組成は2009年では、地点1のシジミが他地点と異なることが示され、塩分濃度が他地点よりも低く、そこに生息しているシジミの成分にも差が現れていた。一方2010年では地点6のシジミが他地点と異なることが示された。同じ地点においても7月の環境条件は2009年と2010年では異なり、呈味成分組成も類似性は低かった。
  4. 環境要因が成分にどのように影響しているかについて重回帰分析を行った。その結果、遊離アミノ酸総量、バリン、イソロイシン、フェニルアラニンは塩分の増加と水温の低下に応じて増加、甘味やうま味を呈するアラニン、グルタミン酸などは塩分の増加に応じて増加、健康性成分であるオルニチン、タウリンは水温の低下に応じて増加することが示された。
  5. 夏季は遊離アミノ酸総量、タウリン、バリンの含量が小型個体のほうが高く、冬季は酢酸は小型個体のほうが、プロリンは大型個体のほうが高く、個体の大きさによる呈味成分組成への影響も示唆された。
成果の活用面・留意点 シジミの生息域の水温、塩分が呈味成分組成に影響を及ぼすことが確認され、今後は飼育実験で品質の良いシジミの生息条件を検討する。
図表1 235446-1.gif
図表2 235446-2.gif
図表3 235446-3.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3308&YEAR=2011
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