メタゲノム解析を利用したプランクトン新規モニタリング技術の開発

タイトル メタゲノム解析を利用したプランクトン新規モニタリング技術の開発
担当機関 (独)水産総合研究センター 瀬戸内海区水産研究所
研究期間 2008~2010
研究担当者 長井 敏
発行年度 2011
要約 海水中に出現する動植物プランクトン種の網羅的な把握と生物多様性の詳細な比較を目的として、ユニバーサルプライマーによるPCR増幅と次世代シーケンサーを用いたプランクトンメタゲノム解析の新技術の開発を目指して予備的検討を行ったところ、有害・有毒微細藻類を含む多数の動植物プランクトン・原生動物群の検出に成功した。
背景・ねらい 動植物プランクトンの多くは、細胞が脆弱であるため化石として保存されず、過去から現在に至る出現種の情報を正確に知ることは不可能である。また、10μm以下の超微細な植物プランクトン種については正確な分類が困難で、各植物門に一体何種いるのか不明である。本研究では、世界の異なる海洋生態系に生息する動植物プランクトンの出現種の情報を、ユニバーサルプライマーによるPCR増幅と次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析を行い、全出現種の網羅記録と生物多様性比較を目的とする。
成果の内容・特徴 2009年に広島湾・石垣島から海水(約1L)をそれぞれ5回採取し、フィルター上にプランクトンを捕集し、DNAを抽出した。これを鋳型としてユニバーサルプライマーにより増幅し、次世代シーケンサーRoche454 GS FLXにより配列解析を行い、出現種を調べた。予備的に50,521リードを解析した結果、Blast検索の結果、ヒットしなかった配列は10リードだけであり、広島湾から33,545リード、石垣島から15,889リード、不明1,089リードが得られた。広島湾及び石垣島から、それぞれ1,558個および1,318個の異なる配列が得られた。両海域から検出された配列数は862で、広島湾のみ、あるいは石垣島のみから検出された配列数は、それぞれ696及び499であり、両海域では、出現種がかなり異なった。広島湾における出現種を見ると、藻類については、原核緑藻以外のほぼ全ての植物門(>28藻綱)から492個の配列(種)が検出された。原生生物として、繊毛虫、根虫類(アメーバ、放散虫等)、胞子虫、鞭毛虫、ラビリンチュラ等、菌界から多数の種が検出され、動物界についても、16門31綱から167の配列(種)が検出され、海綿、刺胞、扁形、線形、外肛、軟体、ユムシ、環形、節足、棘皮、脊索動物門に属す種が多数検出された。一方で、不明な真核生物種として716個の配列が検出され、全体の54%に及んだ。まだまだ配列情報の登録は不十分ではあるが、海洋低次生態系を構成する全出現種を網羅解析する手法としては、技術的にかなり確立されたものであることが判明した。
成果の活用面・留意点 現在、農林技術会議のプロジェクト研究において、八代海のシャットネラ赤潮の発生に関与するプランクトン・微生物群を解明するために活用している。
図表1 235458-1.gif
図表2 235458-2.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3424&YEAR=2011
カテゴリ モニタリング

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる