高温・多湿な条件でも安定栽培が可能なテンサイ「北海101号」

タイトル 高温・多湿な条件でも安定栽培が可能なテンサイ「北海101号」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2006~2011
研究担当者 黒田洋輔
岡崎和之
田口和憲
阿部英幸
高橋宙之
発行年度 2011
要約 テンサイ「北海101号」は、褐斑病、黒根病およびそう根病の主要3病害に対する複合抵抗性を有す。「北海101号」は、高温・多湿により普及品種の糖量が大きく減少する条件においても、糖量の減収が少なく、安定栽培が可能である。
キーワード テンサイ、複合病害抵抗性、高温、多湿、安定栽培
背景・ねらい 北海道のテンサイは、近年、不作が続いている。2010年のように夏期が高温・多湿な気象条件では、褐斑病、黒根病やそう根病が発生し、深刻な収量低下を招く。しかし、現在普及している品種の大半は、病害抵抗性をもたず、高温・多湿による病害発生への対応は難しい。そこで、北海道農業研究センターが保有する病害抵抗性の遺伝資源を活用し、褐斑病、黒根病およびそう根病に対する抵抗性が優れ、高温・多湿な条件においても、糖量の減収が少なく、安定栽培が可能な複合病害抵抗性品種を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 「北海101号」は、北海道農業研究センターの種子親系統「JMS64」とスウェーデンのシンジェンタ社の花粉親系統「L40200」との交配により育成した単胚・二倍体一代雑種である。
  2. 「北海101号」は、現在の普及品種並の糖収量であるが、これまでの普及品種にはみられない黒根病抵抗性“強”であり、褐斑病およびそう根病に対しても“強”と高い複合病害抵抗性を示す(表1)。
  3. 「北海101号」は、褐斑病および黒根病が激発した条件でも、両病害の発生が少ない(図1)。
  4. 褐斑病および黒根病が多発した2010年において、「北海101号」の褐斑病発病程度(0~5)および根腐症状株率は、地域を代表する普及品種「フルーデンR」より低い。また、「北海101号」の糖量は「フルーデンR」より多い(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象 テンサイ生産者、テンサイ製糖各社
  2. 普及予定地域・普及予定面積 抽苔発生の懸念のある北海道網走沿海部を除き、黒根病を含む根腐症状が恒常的に発生する排水不良ほ場を中心に500ha
  3. その他 抽苔耐性が“やや強”であるため、早期播種や、過度の低温による馴化処理は避ける。本品種の登録出願はシンジェンタ社との協同で行う予定である。
図表1 235766-1.png
図表2 235766-2.jpg
図表3 235766-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2011/113a1_01_05.html
カテゴリ 遺伝資源 抵抗性 てんさい 播種 病害抵抗性 品種

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