早生、良食味で外観美麗なカンキツ新品種「みはや」

タイトル 早生、良食味で外観美麗なカンキツ新品種「みはや」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 1998~2011
研究担当者 吉岡照高
高原利雄
松本亮司
深町 浩
稗圃直史
今井 篤
野中圭介
國賀 武
三谷宣仁
吉永勝一
発行年度 2012
要約 カンキツ新品種「みはや」は「津之望」にNo.1408を交雑して育成した早生のミカンである。果皮が赤橙色、外観美麗でウンシュウミカンと区別性がある。11月下旬に成熟し、剥皮は比較的容易で食味が良い。浮き皮は発生せず、無核果生産が可能である。
キーワード カンキツ、新品種、早生、良食味、果皮色
背景・ねらい 我が国におけるカンキツ類の栽培面積の60%以上はウンシュウミカンの品種が占めるが、果実品質の不安定さがウンシュウミカンの価格低迷の一因となっている。また、近年の消費者の嗜好は多様化し、ウンシュウミカンに対抗できる良食味の早生カンキツの育成が望まれている。そこで、年内に成熟し、良食味かつ剥皮良好であり、外観上もウンシュウミカンと区別性のあるミカンタイプの品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 1998年に果樹試験場カンキツ部(口之津)(現果樹研究所カンキツ研究口之津拠点)においてみかん品種「津之望」にみかんタイプの育成系統No.1408を交雑して育成した品種である。2006年より系統名カンキツ口之津50号としてカンキツ第10回系統適応性・特性検定試験に供試して検討し、2011年8月の同試験成績検討会において新品種候補とした。2011年12月7日に品種登録出願し、2012年3月16日に「みはや」として品種登録出願公表された。
  2. 樹勢は中程度、樹姿は直立性と開張性の中間である。枝梢の長さは短く、太さは中位で、密生する。とげの発生は少なく短い。そうか病の発生はない。かいよう病は軽度の発生がみられる(表1)。
  3. 果実は190g程度で、果皮は赤橙色でウンシュウミカンと区別性がある。果面は滑らかで11月上中旬に完全着色し、剥皮は比較的容易である。浮き皮の発生はない。果肉は濃橙色で、肉質は軟らかく果汁量は多い。じょうのう膜は比較的軟らかく食べやすい。成熟期は11月下旬で、12月調査時点で果汁の糖度は約12%、クエン酸含量は0.60%程度となる。アンコールの芳香があり食味が良好である。完全種子は少なく、無核果の割合が高い。機能性成分のβ-クリプトキサンチン含量は果肉100gあたり1.48mgと高く、ウンシュウミカンの「興津早生」と同程度含む(表2、図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:カンキツ生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:愛知県、熊本県、鹿児島県、福岡県、大分県の試験地において有望と評価されており、これらの産地から普及が見込まれる(許諾苗木生産業者数:8県、37業者)。
  3. その他:年内に成熟するため、わが国のほとんどのカンキツ栽培地帯に適する。各地における試作試験の結果では、着花・着果状況の違いによる糖度のばらつきが大きいので、隔年結果を助長したり、夏梢の発生を誘発することがないよう着果量に留意する。また、収穫が遅れると果梗部周辺にクラッキングが発生する場合がある。
図表1 235965-1.png
図表2 235965-2.png
図表3 235965-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2012/142c0_01_18.html
カテゴリ 温州みかん 機能性成分 新品種 苗木生産 品種 良食味 その他のかんきつ

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