DNAマーカーによる品種識別を効率化する3つのソフトウエアの開発

タイトル DNAマーカーによる品種識別を効率化する3つのソフトウエアの開発
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2008~2012
研究担当者 藤井 浩
緒方達志
島田武彦
遠藤朋子
池谷祐幸
清水徳朗
山本俊哉
大村三男
発行年度 2012
要約 果樹研究所で開発した3つのソフトウエア、MinimalMarker (Ver.2)、MarkerToolKit、MixAssortを組合せて使用すると、農作物および加工品の品種識別のためのDNAマーカーの開発や利用が効率化する。
キーワード DNAマーカー、品種識別、ソフトウエア、ソフトウエア公開
背景・ねらい 登録品種の育成者権の保護と不正表示の防止を目的に、多くの農作物で品種識別を目的とした品種識別DNAマーカー(以下、マーカー)が開発され、生鮮農産物や加工食品の原材料品種を同定する技術開発が進められてきた。マーカーや適用品種の数が増大するにつれて、既存の表計算ソフトウエアでは効率的かつ正確なデータ処理が困難になったため、DNA品種識別を支援するソフトウエアが必要となっている。
成果の内容・特徴
  1. 多数のマーカーを多数の品種に適用した結果においてMarkerToolKitは全ての2品種の組合せについて識別可能なマーカー数を計算する。また、未知の品種が偶然既知の品種の全マーカー型と一致する確率(品種判別理論値)を計算する。これらにより、既存マーカーによる対象品種群の識別可能性を判定できるので、新たなマーカー開発の是非を判断できる。さらに品種識別で主流のSSRマーカーの数値表現をMinimalMarker ver.2とMixAssortが計算可能な英文字表現に変換する計算など9種類の機能を持つ(図1)。
  2. MinimalMarker (Ver.2)は、多数の品種について多数のDNAマーカーを適用して得たデータから、最も少ないマーカー数ですべての品種を識別するためのすべての最少マーカーセットを検出する通常モード(図1)だけでなく、SNPアレイのような大規模遺伝子型決定の結果についても実用的な時間内で最少マーカーセットを検出可能なVer.2独自の高速モードを備える(表1)。ただし、高速モードでは、すべての最少マーカーセットを検出しない。なお、MarkerToolKitの結果、いずれかの2品種の組合せで識別するマーカー数が0の場合、MinimalMarkerを適用できない。1の場合、該当マーカーは必須なので、この情報をMinimalMarkerに与えると計算時間を短縮できる。
  3. MixAssortは、品種ごとのDNAマーカー型データを基にして、複数品種が原材料として混合されている加工食品(ジュースや小麦粉など)のDNAマーカー型データから、含まれている原材料品種を推定する(図1)。
  4. 上記ソフトウエアは多くの農作物で利用でき、マーカーの種類は問わない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:品種育成者権所有者、農業・食品関連試験研究機関、農業・食品関連行政機関、食品検査業者、食品加工業者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全世界におけるDNAマーカーによる品種識別に普及予定。
  3. その他:本ソフトウエアは、わが国の果樹分野のほぼすべてのDNAマーカー開発において利用されており、果樹研ホームページから、ダウンロードできる。プログラムの知的財産権は農研機構に帰属する。詳しい著作権、免責事項、使用環境や利用方法についてはダウンロードサイトに記述されている。
図表1 235971-1.png
図表2 235971-2.png
図表3 235971-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2012/142g0_01_22.html
カテゴリ 加工 DNAマーカー 品種

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