トレオニン不足飼料を給与してもブタの筋肉内脂肪含量は高くならない

タイトル トレオニン不足飼料を給与してもブタの筋肉内脂肪含量は高くならない
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2010~2012
研究担当者 勝俣昌也
小林裕之
石田藍子
芦原 茜
中島一喜
発行年度 2012
要約 10週齢のブタに、リジンが不足した飼料を8週間給与すると、胸最長筋および菱形筋の筋肉内脂肪含量が高くなる。一方、トレオニンが不足した飼料を給与しても、どちらの筋肉でも筋肉内脂肪含量は変化しない。
キーワード 筋肉内脂肪含量、ブタ、アミノ酸制御、トレオニン
背景・ねらい リジン濃度を要求量よりも30%程度低くした飼料を、肥育豚に2か月間給与すると、筋肉内脂肪(IMF)含量が高くなる。一方、他の必須アミノ酸の濃度を低くした飼料を給与しても、IMF含量が高くなるかどうかはわかっていない。
そこで、リジン以外の必須アミノ酸の濃度を低くした飼料の給与が、ブタのIMF含量におよぼす影響を明らかにするために、トレオニン濃度を要求量よりも30%程度低くした飼料を肥育豚に給与し、IMF含量を測定する。なお、リジンの効果と比較するために、リジン不足飼料を給与する試験区も設定する。
成果の内容・特徴
  1. 10週齢(平均体重35.9kg)のブタを供試する。試験期間は8週間、試験期間中は不断給餌、自由飲水、単飼条件で飼育する。
  2. 表1に示す6種類の飼料を調製する。リジン対照区とトレオニン対照区のブタには、それぞれリジン対照あるいはトレオニン対照の飼料を8週間給与する。リジン不足区のブタには、リジン不足1飼料を3週間給与したのち、リジン不足2飼料を5週間給与する。トレオニン不足区のブタには、トレオニン不足1飼料を3週間給与したのち、トレオニン不足2飼料を5週間給与する。
  3. 表1に示すように、トレオニン区の飼料の粗タンパク質濃度はリジン区より低いので、粗タンパク質濃度とアミノ酸の充足・不足を要因とした、2元配置の分散分析で検定する。
  4. 日増体量と飼料効率は、リジンあるいはトレオニンが不足した飼料を給与すると低くなる。日増体量は粗タンパク質濃度の影響もうける(表2)。
  5. 胸最長筋のIMF含量は粗タンパク質濃度とアミノ酸濃度の交互作用があり(P<0.01)、菱形筋では交互作用の傾向がある(P=0.0509)。胸最長筋、菱形筋ともにリジン不足飼料の給与でIMF含量が高くなるが、トレオニン不足飼料の給与では変化しない(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 飼料の必須アミノ酸濃度を制御してブタのIMF含量を高くする際の参考データとして活用できる。
  2. 終了時体重の平均値は90kgで一般的な出荷体重には達していない。
図表1 236039-1.png
図表2 236039-2.png
図表3 236039-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2012/130e0_03_08.html
カテゴリ 出荷調整 飼料効率

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