農業機械の通信制御インターフェースを共通化する接続コネクタ規格

タイトル 農業機械の通信制御インターフェースを共通化する接続コネクタ規格
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2011~2012
研究担当者 濱田安之
元林浩太
西脇健太郎
奥野林太郎
発行年度 2012
要約 農業機械の情報通信を共通化するために、国際標準に準拠したデータ通信・制御をより簡易な2ピンの接続コネクタを適用して行うことを提言し、これを元に日本農業機械 工業会規格が制定された。すでに対応する農業機械の市販が開始されている。
キーワード トラクタ、作業機、通信プロトコル、CANインターフェース、AG-PORT
背景・ねらい 農業機械間の電子制御化による高度化とそれに伴うデータ通信は、肥料の効率的利用等、農業生産性の向上に重要であるが、その方式がメーカー間で異なると、農業者はトラクタや作業機を一式で導入しなければならず、農業機械メーカーも多様な方式への対応に多大な開発・製造コストを要する等、多大な不利益を被る。このため、農業機械の通信制御を共通化する国内規格を制定し、その高度化とシンプル化を両立することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 本規格「トラクタと作業機間の通信用接続コネクタ(JAMMAS 0021-2012、2012年3月12日制定)」は農研機構、農業機械メーカー11社、(一社)日本農業機械工業会で構成される「農業機械通信制御技術共通化検討会」において北海道農業研究センターが提言し、採択された「農業機械通信制御技術共通化に係る申し合わせ事項」に基づき、日本農業機械工業会が制定したものである。
  2. 本規格では、データ通信にCANインターフェースを用い、通信内容は欧米で制定され、普及が始まりつつある国際標準(ISO11783)に準じる。
  3. トラクタ、作業機間の接続コネクタは2ピンとし、農業機械への採用実績を鑑み、古河電工製または矢崎総業製の規定する品番及びその同等品とする(図1、表1)。配線色は原則としてISO11783に準じてCAN-Hを黄色、CAN-Lを緑色とする。
  4. トラクタと共通リモコン等の表示操作装置及び作業機との接続については、3.のコネクタを適用して直接接続する他に、必要に応じて変換コネクタ(図2)を追加し、ISO11783に準拠した接続方法を用いることが可能である。
  5. 接続コネクタについては、今後ともコネクタの統一化あるいは追加に関する検討を継続して行い、必要に応じて規格の追加・修正を行うこととしている。
  6. 本規格に準拠した通信規格を表す図案が北海道農業研究センターより提案され、日農工の会員各社にその利用について通達がなされた。本図案では規格の総称として「AG-PORT」と呼称されている(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:農業機械メーカー
  2. 普及台数等:大手農業機械メーカーよりトラクタ5型式、フロントローダ1型式、ブームスプレーヤ1型式及びブロードキャスタ8型式が市販化されている(図3)。ブロードキャスタについては年間100台程度の販売を予定、ブームスプレーヤは今後の本格量産を予定。
  3. その他:農水省実用技術開発事業「農業機械におけるシンプル化と情報化・高度化を両立する通信制御共通化技術の開発」(2011~2013年度)において、本規格に基づいた各種電子制御ユニット(ECU)のハードウエア・ソフトウエアを開発中であり、参画農業機械メーカー13社に対し本規格及び開発技術に関する技術指導を実施中。
図表1 236179-1.png
図表2 236179-2.png
図表3 236179-3.png
図表4 236179-4.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2012/160d0_01_35.html
カテゴリ 肥料 コスト 市販化 通信制御

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