タイトル |
倒伏に強く極多収の稲発酵粗飼料用・飼料用米兼用水稲品種「モグモグあおば」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 |
1999~2012 |
研究担当者 |
田村泰章
坂井 真
田村克徳
片岡知守
岡本正弘
平林秀介
溝淵律子
梶 亮太
深浦壮一
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発行年度 |
2012 |
要約 |
「モグモグあおば」は暖地では中生の晩に属する粳種である。地上部乾物重収量が多く、耐倒伏性が強いため稲発酵粗飼料用品種として暖地平坦部に適し、粗玄米重も多いため、飼料用米としても利用でき、九州各県で普及が進んでいる。
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キーワード |
イネ、耐倒伏性、中生、稲発酵粗飼料、飼料用米
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背景・ねらい |
現在、九州地域に普及している稲発酵粗飼料用水稲中生品種である「ニシアオバ」は、早植栽培(5月下旬移植)で多収を示し、中山間地を中心に普及している。しかし、耐倒伏性が十分ではなく、平坦地域での多肥栽培には適さず、普通期栽培(6月下旬移植)での地上部乾物全重収量も主食用品種に比べて高くない。そのため耐倒伏性が強く、暖地平坦部で作期を問わず多収が得られる中生飼料用稲品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 「モグモグあおば」は強稈・多収品種の育成を目的とし、「中国146号(ホシアオバ)」を母本とし、「西海203号(ミズホチカラ)」を父本として人工交配を行った組み合わせから育成された。
- 出穂期は「ニシホマレ」、「ニシアオバ」とほぼ同程度、黄熟期も同程度である。暖地では“中生の晩”に属する(表1)。
- 稈長は「ニシホマレ」より4~11cm、「ニシアオバ」と同程度~3cm程度長い“長”である。穂長は「ニシホマレ」より約1cm長く、「ニシアオバ」と同程度の“やや長”である。穂数は「ニシホマレ」、「ニシアオバ」より少ない“少”である。
- 稈は太く、稈質は剛である。耐倒伏性は“強”で、「ニシホマレ」、「ニシアオバ」より強い。
- 「モグモグあおば」のいもち病真性抵抗性遺伝子型は“不明”であるが、Pita-2、Pib、Piz、Piz-tのいずれかを単独または複数持つ可能性がある。
- 地上部乾物収量は早植多肥栽培では「ニシホマレ」より約25%多収で、「ニシアオバ」より17%多収である。早植極多肥栽培では「ニシホマレ」より約34%程度、「ニシアオバ」より約5%程度多収である。普通期極多肥栽培では「ニシホマレ」、「ニシアオバ」より約14%程度多収である(表1)。
- 推定可消化養分総量(TDN)含量は57%程度と通常の品種と差はなく、早植多肥栽培における面積当たりの推定TDN収量は「ニシホマレ」より約21%程度、「ニシアオバ」より約10%程度多い(表1)。
- 普通期極多肥栽培における粗玄米収量は「ニシホマレ」より約33%多収である(表2)。
- トリケトン系の4-HPPD阻害型除草剤に対し抵抗性である。
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成果の活用面・留意点 |
- 倒伏に強く地上部乾物全重、子実重が多収の中生品種として暖地の平坦部での栽培に適する(図)。
- 福岡県で奨励品種(飼料作物)に指定されている。(社)草地畜産種子協会等から400ha分以上の種子が供給され、九州各県で普及中である。
- いもち病真性抵抗性を有し、通常の菌系では発病は見られないが、発病を認めたら適切に防除する。また、ごま葉枯病の発病例があるので留意する。
- 大粒のため、主食用品種との識別が容易である。育苗に際しては播種量を2~3割程度多くする必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2012/120a0_01_12.html
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カテゴリ |
病害虫
育苗
いもち病
ごま
除草剤
飼料用米
飼料作物
飼料用作物
水稲
中山間地域
抵抗性
抵抗性遺伝子
播種
品種
防除
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