飼料用サトウキビ品種「KRFo93-1」の栽培方法とその利用技術

タイトル 飼料用サトウキビ品種「KRFo93-1」の栽培方法とその利用技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2007~2011
研究担当者 服部育男
境垣内岳雄
神谷 充
樽本祐助
鈴木知之
寺内方克
田中正仁
野中最子
神谷裕子
原田直人
松野愛子
鈴々木昭一
松田謙志
稲田年久
岡野良一
米須勇人
伊波 聡
玉城 麿
宮平守邦
大城良計
赤地 徹
昆 明彦
高田雅透
松元重信
大野洋蔵
山本直之
発行年度 2012
要約 「KRFo93-1」は、年2回収穫等により多収かつ作業性の良い栽培ができる。従来牧草よりも低コストで生産でき、そのサイレージは発酵品質に優れ、繁殖牛、肥育素牛、泌乳牛において、慣行給与体系に劣らない飼養成績が得られる。
キーワード 飼料用サトウキビ、KRFo93-1、サイレージ、家畜飼養、生産コスト
背景・ねらい 南西諸島における肉用牛繁殖経営においては、耕地面積が絶対的に少なく、厳しい気象条件により、自給粗飼料が恒常的に不足している。飼料用サトウキビ品種「KRFo93-1」は従来の基幹牧草であるローズグラスの約2倍の乾物生産量があり、10年以上の再生利用が可能であることから、島嶼部の畜産に有望な飼料作物として期待されている。しかし、収穫の障害となる倒伏の回避、収穫物の貯蔵法、牛の増体への影響の解明などの技術や情報が不足している。そこで、「KRFo93-1」を本格的に普及するため、現地実証試験を実施し、利用技術の体系化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 栽培・収穫は台風等による倒伏が回避できる年2回刈り体系が適しており、3月上旬に植付けを実施し、8月中旬から9月中旬にかけて1回目の収穫、翌年5月上中旬に2回目の収穫を行う(図1)。また、年2回収穫においても年1回収穫と同程度の収量が得られる(図2)。
  2. 製糖用サトウキビで一般的に行われる収穫後の株揃え処理は「KRFo93-1」では再生後の乾物収量を減収させるため、実施する必要がないことから省力的な栽培ができる(図2)。
  3. 飼料用サトウキビは、10年以上再生利用できるので、種苗費や植付け費用を抑えることができる。また、収量が高いので乾物1kg当たりの支出は7.1円で、ローズ・イタリアン体系の10.2円に比べて低コストで生産できる(表1)。
  4. 飼料用サトウキビはコーンハーベスタで収穫が可能で、年2回収穫の材料では水分が78.6±2.8%とやや高いが、細断型ロールベーラ、スタック、バンカー、半地下のいずれのサイロにおいてもpHが3.7±0.1と低く、V-scoreは98±3.4と年1回収穫と同様に優れた発酵品質のサイレージが調製できる。また、飼料成分は可消化養分総量(TDN)が55%DMと年1回収穫と同等で、粗タンパク質が5%DM、中性デタージェント繊維が73%DMである。
  5. 黒毛和種繁殖牛、黒毛和種育成牛およびホルスタイン種泌乳牛に慣行の粗飼料の全部または一部に代替して飼料用サトウキビサイレージを給与しても繁殖成績、子牛市場価格および乳生産量に差は認められない(表2)。
  6. 本成果をとりまとめた「飼料用サトウキビ品種「KRFo93-1」利用の手引き - 鹿児島県熊毛地域版 - 」が以下より参照できる。
    http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/044077.html
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:鹿児島県熊毛地域以北の九州南部の畜産(牛)農家
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:鹿児島県熊毛地域以北の九州南部
  3. その他:年2回収穫は無霜地帯での栽培を前提とする。また、鹿児島県熊毛地域以南の南西諸島向けとして、「しまのうしえ」が育成されている。
図表1 236252-1.png
図表2 236252-2.png
図表3 236252-3.png
図表4 236252-4.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2012/320c0_02_58.html
カテゴリ 経営管理 コスト さとうきび 飼料作物 飼料用作物 低コスト 肉牛 乳牛 繁殖性改善 品種

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