作物気象データベース『MeteoCrop DB』改訂版 -最新データの提供でイネの生育診断や高温対策への利用が可能に-

タイトル 作物気象データベース『MeteoCrop DB』改訂版 -最新データの提供でイネの生育診断や高温対策への利用が可能に-
担当機関 (独)農業環境技術研究所
研究期間
研究担当者 桑形恒男
吉本真由美
長谷川利拡
石郷岡康史
西森基貴
発行年度 2013
要約 作物気象データベース『MeteoCrop DB』を改訂し、Ver.2として公開しました。改訂版ではイネの生育診断や高温対策の策定などに必要とされる2日前までの作物気象データが利用できます。
背景・ねらい MeteoCrop DBは、地球温暖化などの気候変動が日本各地のイネ生産にどのように影響するかを解析するために開発された気象データベースです。本データベースではこれまで1ヵ月毎にしかデータを更新できませんでしたが、栽培中のイネの生育診断や高温被害の回避対策の策定などにも活用するために、最新の作物気象データが利用できるようにシステムを改訂する必要性が高まっていました。そこでデータベースの改訂を実施しました。
成果の内容・特徴 MeteoCrop DB の改訂版(Ver.2)(http://meteocrop.dc.affrc.go.jp/real/)は、全国の気温、降水量、日照時間及び風向風速を観測しているアメダス地点(約850地点)における1970年代後半以降、ならびに地上気象観測所(約150地点)における1961年以降の最新の作物気象データを提供します。改訂版では、これまで1ヵ月毎に行っていたデータ更新を毎日実施するようにし、利用者は2日前までの作物気象データを利用することができるようになりました。これまでと同様に、地点選択のメニュー画面またはGoogleマップの地図上で観測地点を選ぶことで(図1)、作物気象データを容易に取得できます(図2)。

作物気象データは日単位の気象環境情報であり、アメダス地点で測定されている気温、風速、降水量、日照時間の4つの基本要素に加えて、日射量や湿度などの推定値、蒸散要求量や水田水温のモデル計算値なども提供されます(図2)。これらの推定値・計算値は、いずれもイネの収量や品質に重要な影響を与える要素です。これらのデータは、表計算ソフト用ファイルまたはテキスト形式ファイルとして、利用者のパソコンにダウンロードすることもできます。改訂版では、全国のアメダス地点と地上気象観測所における、3日前までの時別の推定日射量を新たに追加しました。時別の推定日射量は、日射観測が実施されていない観測点におけるイネの穂温推定などに活用されます。

MeteoCrop DB の改訂版を活用することにより、最新の作物気象データを利用して、栽培中のイネの生育診断や高温被害対策が可能となりました。データベース上にある生育モデルや微気象モデルと組み合わせて、田植えからデータベース利用日の2日前までのイネの栽培環境や生育状況を把握でき(図3)、現在の生育状況と今後の天候予測を踏まえた上での対策や指導などに役立てることができます。
図表1 236379-1.jpg
図表2 236379-2.jpg
図表3 236379-3.jpg
研究内容 http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result30/result30_24.html
カテゴリ 高温対策 水田 データベース

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