タイトル |
表計算ソフトを用いた農業用アプリケーション開発のための気象データ取得方法 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2011~2013 |
研究担当者 |
菅原幸治
田中慶
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発行年度 |
2013 |
要約 |
表計算ソフトのオンラインデータ取り込み機能を利用して最新の気象データを取得する方法である。これにより、表計算ソフトを用いて気象データをもとに作物生育予測や病害虫発生予測などのモデル計算を実行するアプリケーションの開発が容易になる。
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キーワード |
気象データ、モデル計算、MetXML、Excel、Googleスプレッドシート
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背景・ねらい |
これまでに、作物の生育、病害・虫害発生や、高温・低温・凍霜害等の被害を気象データにもとづいて予測するための数理モデルならびにプログラムが多数開発されている。しかし、最新の気象データの入手とプログラムへの取り込みが困難なことが開発や普及のネックとなっていた。近年、インターネット上で気象データを配信するWebアプリケーションMetXML(2009年度研究成果情報)が開発、提供されており、最新の気象データの取得は以前より格段に容易になった。さらに、モデル計算を実行するアプリケーション(以下、アプリ)の開発を容易にするために、表計算ソフトのオンラインデータ取り込み機能を利用してMetXML経由で最新の気象データを取得する方法を提供する。
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成果の内容・特徴 |
- 表計算ソフトを用いた気象データ取得方法の概要を図1に示す。この方法は、気象データの更新頻度が高く、利用者による入力項目が多いアプリを開発する場合に有効である。表計算ソフトのオンラインデータ取り込み機能を利用し、気象データを指定するパラメータを記述したURLでMetXMLにアクセスしてデータを取得する。このデータをセル参照して各種のモデル計算を行う。
- Microsoft Excel(以下Excel)を利用する場合は、「Webクエリ」機能を用いてMetXML経由で気象データを取得できる。Webクエリの設定でパラメータを含むURLを入力し、取得するデータ形式はCSVかHTMLの表とする。データ更新の操作をすると、Excelブックのシート上に取得データが挿入される。
- 近年利用が進んでいるGoogleのオンラインサービスの1つ、Googleスプレッドシートでは、Import関数(CSVの場合ImportData、HTMLの表の場合ImportHtml、XMLの場合ImportXML)を用いてデータ取得できる(図2)。引数としてURLを入力するだけでよく、その際URLパラメータの文字列をセル参照にすれば、気象データの観測地点や期間を容易に変更できる。また、作成したスプレッドシートの共有や公開も容易である。
- アプリの開発例として、Excelを利用した露地野菜の収穫予測アプリを図3に示す。取得した日平均気温データを用い、圃場別の定植日と有効積算温度から収穫日を予測する。さらに各圃場の定植株数と収穫日から週別の収穫量を予測する。
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成果の活用面・留意点 |
- 表計算ソフトを利用したアプリ開発手法をマニュアル化し、そのドキュメントならびにアプリのサンプルは、ウェブサイト上でダウンロード可能にする予定である。
- MetXMLの具体的な利用方法は、こちらを参照。
- 気象データ配信WebアプリケーションとしてMetXML以外にも、中央農研で開発された「メッシュ農業気象データ」システムなど、取得するデータの観測地点、気象要素、期間などをURLパラメータで指定できる仕組みであれば、本手法に適用できる。
- Excelを用いて作成したアプリでは、利用環境によっては「セキュリティの警告」が出ることがある。その場合、コンテンツを有効化する設定が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/narc/2013/narc13_s27.html
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カテゴリ |
害虫
栽培技術
収穫予測
生育予測
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