ペチュニアにおける花の香気成分生産のメタボロームプロファイリング

タイトル ペチュニアにおける花の香気成分生産のメタボロームプロファイリング
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究期間 2008~2012
研究担当者 大久保直美
酒井友幸
安藤敏夫
中山真義
曽我朋義
発行年度 2013
要約 ペチュニアの強香系統の花冠におけるグルコース-6-リン酸以降の代謝産物の濃度は、香気成分と同調した昼夜変化を示す。香気成分量の昼夜変化の発生には、基質濃度による芳香族化合物の生合成制御が関与している。
キーワード 香気成分、生合成制御、昼夜変化、ペチュニア、メタボローム
背景・ねらい ペチュニアの野生種の一つであるPetunia axillaris の香気成分は芳香族化合物であり、その発散量は、昼多く夜少なくなる昼夜変化を有する。また、P. axillaris には、香りの強弱が異なる系統が存在する。香気成分の昼夜リズムおよび香りの強弱を制御する生合成段階を明らかにするために、P. axillaris の強香系統と弱香系統について花冠の代謝産物のメタボロームプロファイリングを行う。
成果の内容・特徴
  1. 強香系統のスクロース、フルクトース、グルコースの濃度は夜間に増加しない。一方で弱香系統のそれらの糖の濃度は夜間高くなる昼夜変化を示す(図1)。
  2. 強香系統については、グルコース-6-リン酸(G6P)以降の代謝物の濃度は、香気成分と同調した昼夜変化を示す(図1)。
  3. 弱香系統については、6-ホスホグリセリン酸(6PG)を含むいくつかの代謝産物とシキミ酸の下流の代謝産物の濃度は著しく低い(図1)。G6Pから6PGへの代謝とシキミ酸の代謝が抑制されている。弱香系統の夜間の糖の蓄積は、それらの代謝の抑制が影響しているものと考えられる。
  4. 香気成分量の昼夜変化の発生には、G6P以降の各生合成段階での基質濃度による生合成制御が関与している。
  5. 強香系統では、香気成分のメチル基供与体であるS-アデノシルメチオニン(SAM)の濃度は昼多く夜少なくなる変化を示す一方で、他のSAM回路の構成化合物であるS-アデノシル-L-ホモシステインとメチオニンは、香気成分と同じ昼少なく夜多くなる変化を示す(図1)。SAM回路の化合物濃度もまた、メチル基受容体の基質濃度に影響を受けている。
成果の活用面・留意点
  1. 花の芳香気成分生産制御には、基質濃度の貢献が高い。
  2. 花の香気成分の発散調節には、糖代謝という生合成の初期の段階からの制御の有効性が期待できる。
図表1 236503-1.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/flower/2013/flower13_s11.html
カテゴリ ペチュニア

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