ガラス化保存したウシ発育途上卵母細胞は体外発育と体外成熟が可能である

タイトル ガラス化保存したウシ発育途上卵母細胞は体外発育と体外成熟が可能である
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2009~2012
研究担当者 平尾雄二
ソムファイタマス
成瀬健司
発行年度 2013
要約 直径約100μmのウシ発育途上卵母細胞は、ガラス化保存に耐え、加温後の体外発育培養では14日間の生存と発育が可能である。その後、体外培養により成熟し、胚へ発生することができる。
キーワード ウシ卵母細胞、ガラス化保存、体外発育、体外成熟
背景・ねらい 優良な形質をもつウシを多く生産するためには、豊富な卵子が必要となる。一方、雌ウシが一度に妊娠する数は限られており、妊娠期間も長期(280~285日)であることから、大量の卵子を一度に活用できない。そこで、卵子を準備する技術とともに卵子の超低温保存技術を開発しておくことが望ましい。現時点でそのような保存技術の筆頭はガラス化法である。ウシ卵巣内に存在する発育途上卵母細胞であれば、発育後の卵母細胞に比べてより多くの個数を採取できることから、さらに効果的である。本研究では、発育途上卵母細胞をガラス化保存し、加温後に体外発育させて成熟卵子を得ることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. Ethyleneglycol+DMSO+Sucroseを用いるガラス化液を用いて、ウシ発育途上卵母細胞(平均直径約100 μm)を、組織培養用のフィルターを利用した方法によりガラス化保存・加温して培養すると、培養1日後の生存率は90%以上である(109個/120個)。
  2. 培養14日後の卵母細胞の生存率は89%(97個/109個)であり、生存卵母細胞の周辺には増殖した顆粒膜細胞によるドームが形成される(図1)。
  3. 直径約100 μmの卵母細胞をガラス化・加温後に14日間培養すると約116μmへと発育する(図2)。その平均直径はガラス化処理を行わなかった体外発育卵母細胞の約120μmよりも小さく、その差は有意である。
  4. ガラス化・加温の有無に関わらず、卵母細胞の約50%の卵母細胞が減数分裂第二分裂中期へ到達し、成熟卵子となる。
  5. 放出された第一極体(図3a)を指標として除核処理を行い、卵丘細胞をドナーとする核移植を施すと、胚盤胞への発生が可能である(図3b)。
成果の活用面・留意点
  1. 優良形質をもつウシの卵母細胞の長期保存と有効利用につながる。
  2. 一時的に著しい細胞質の縮小を伴うガラス化保存・加温の後、卵母細胞が周囲の顆粒膜細胞から離れて孤立した状態(裸化)となっていないことを確認する必要がある。裸化した卵母細胞は退行するため使用できない。
図表1 236555-1.jpg
図表2 236555-2.jpg
図表3 236555-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2013/nilgs13_s20.html
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる