L型非定型BSEは緬羊に脳内接種で感染する

タイトル L型非定型BSEは緬羊に脳内接種で感染する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2008~2012
研究担当者 松浦裕一
岡田洋之
岩丸祥史
舛甚賢太郎
今村守一
毛利資郎
横山隆
発行年度 2013
要約 L型非定型BSE感染牛脳乳剤を脳内に接種した緬羊は、明確な臨床症状や脳での重篤な空胞化を示さない。しかし、異常プリオン蛋白質は緬羊の脳に蓄積し、スクレイピー感染羊とは異なる蓄積形態や体内分布を示す。
キーワード 非定型BSE、プリオン、緬羊、伝達試験
背景・ねらい L型非定型BSEは脳内での空胞変性の頻度、異常プリオン蛋白質(PrPSc)の蓄積部位やその形態が定型BSEのそれらとは異なる。L型非定型BSEは発生の原因が不明で、自然に発生する可能性が示唆されているほか、牛やサルに感染性を示す。本研究では、L型非定型BSEの緬羊への伝達性並びにPrPSc蓄積の特徴を調べ、その感染リスク評価に資する知見を集約することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. L型非定型BSEに感染した牛の脳乳剤を2頭の緬羊に脳内接種しても、992日まで臨床症状を示さない。
  2. 接種後992日で剖検した緬羊では、脳内の空胞化は極めて軽微で、嗅結節、嗅覚皮質、大脳基底核、視床、中脳下丘核、蝸牛神経核に認められるが、大脳皮質、視床下部、海馬、中脳被蓋、橋、延髄、脊髄、小脳では認められない。
  3. 中枢神経系全域の灰白質にPrPScが軽微に蓄積するが、L型非定型BSE感染牛に特徴的なアミロイドプラークの沈着は認められない(図1a)。
  4. 三叉神経や副腎髄質(図1b)などの末梢神経系にもPrPScは蓄積するが(図2)、リンパ系組織では蓄積せず、スクレイピー感染羊とは異なる病態である。
成果の活用面・留意点
  1. L型非定型BSEの緬羊への感染はスクレイピーや定型BSEのそれらと識別可能である。
  2. 現行のTSEサーベランスで 型非定型BSEが感染した緬羊の摘発は可能である。
図表1 236579-1.jpg
図表2 236579-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2013/niah13_s13.html
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