パイプラインの安全を確保する保守管理が容易な水理性能照査ソフトウェア

タイトル パイプラインの安全を確保する保守管理が容易な水理性能照査ソフトウェア
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
研究期間 2012~2013
研究担当者 田中良和
中田達
樽屋啓之
発行年度 2013
要約 農業用パイプライン施設の水理学的安全性を照査して、計画的な保全管理に資することを目的としたソフトウェアである。本ソフトウェアは、技術者による水撃圧の数値解析プログラムコードの保守管理と施設諸元のデータ管理を容易にする。
キーワード 農業用パイプライン、水理学的安全性、水撃圧、オブジェクト指向プログラム
背景・ねらい 既存の農業用パイプライン施設を有効活用し長寿命化を図る上で、性能照査手法は重要な技術である。数値解析手法は水理学的安全性の照査手法として期待できる。農業用パイプラインの通水施設は水理学的安全性が照査されて設計されているにもかかわらず供用されてから水管理上等の要因による水撃圧を主要な原因として破損が生じるケースがある。
土地改良事業計画設計基準および運用・解説 設計「パイプライン」の2009年の改訂では、主に水撃圧の予測は計算による方法を原則としている。2006年建築物耐震偽装の教訓から得られるように、計算コードの内容も照査でき、安心して長い期間利用できる標準的な水理性能照査ソフトウェアが必要である。そこで、その要件として、コードのブラックボックス化を生じさせず、計算手法の改良や様々な水利附帯施設の追加に対応できる「コード保守管理手法」と施設の補修や更新に対応できる「データ管理手法」を備えた標準的なソフトウェアを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 水理性能照査ソフトウェアは、水撃圧の数値解析手法が実装されている。技術者がこのソフトウェアに不足している機能や改良・修正が必要な箇所についてコードの拡張が可能であり、拡張した箇所は管理者との調整・了承の下にアップロードされ,ダウンロードした他の技術者に閲覧されて利用されることを想定している(図1)。
  2. 水理性能照査ソフトウェアは、オブジェクト指向言語で実装されており、コードの保守管理が容易である。農業用パイプラインを構成する通水・附帯施設のデータは、一貫したメッセージパッシングと呼ばれる規則に従って数値解析に利用されるので、これまで未実装の新たな附帯施設についてもクラス(データ型)をこの規則に従って定義することで数値計算できるようになる(図2)。
  3. 農業用パイプライン施設のデータ構造を文書として定義した規定と、これから自動生成したクラス群を用いれば、施設の諸元データをISMLに基づくXML(eXtensible Markup Language)ファイルに記述して、水理性能照査プログラムにデータを入力できる(図3)。
  4. 性能照査の手順は水理ユニット毎に行われ、次に水理ユニットを結合したパイプライン全体について行われる。施設毎の諸元データが記述されたXMLファイルがあるため、水理ユニットの結合が簡単に行えるので、データ管理が容易である(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:コードの保守管理を行う技術者としてシステムエンジニア、水理性能の照査を行う技術者として農業農村工学技術者を想定している。
  2. 普及予定地域:管の破損事故件数を多数抱えたり、農業用パイプライン施設の水理性能照査を取り組んでいる地域に適用されるのが望ましい。
  3. 農政局の土地改良技術事務所等にシステムを技術移転することを想定している。
図表1 236596-1.jpg
図表2 236596-2.jpg
図表3 236596-3.jpg
図表4 236596-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nkk/2013/13_067.html
カテゴリ データ管理 水管理

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