バレイショ採種栽培におけるジベレリンを活用した小粒種いも生産技術

タイトル バレイショ採種栽培におけるジベレリンを活用した小粒種いも生産技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2011~2013
研究担当者 津田昌吾
横田 聡
中司啓二
辻 博之
発行年度 2013
要約 バレイショ採種栽培において原種種いもへジベレリン浸漬処理を行うことによって、密植栽培に比べて低コストで小粒いも数が増加する。処理によって得られた種いもとしての特性・形質は、無処理で生産された種いもと同等である。
キーワード 原種、採種、ジベレリン、小粒、種いも、バレイショ
背景・ねらい バレイショ栽培において、全粒種いもの利用は、萌芽や茎数等の生育を揃えやすく、いも切りの作業等も必要としないため、生産現場からの要望が高い技術である。また、種いもの取引規格について、より小粒サイズへの規格見直しが検討される中、採種栽培における小粒化の要望自体も高まっている。しかし、バレイショ採種栽培において、小粒いもを効率良く生産することは難しい。その中で、2010年度に「バレイショ種いものジベレリン浸漬処理によるいも数と小粒塊茎の増加」研究成果情報において、5~10ppm・30秒間のジベレリン処理によって、いも数が増加することが確認された。この成果をもとに、2012年にジベレリンはバレイショ(種いも用)に登録拡大された。本成果はジベレリン水溶剤の実用性を示し、小粒いもを効率的に生産できる種いも生産技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. ジベレリン処理は、1.5倍の密植と同程度かそれ以上の小粒いも数が得られる(図1)。
  2. ジベレリン処理のコストは、原種種いもの数を増やす密植栽培と比べて、大きく減らすことができる(表1)。
  3. 植え付け数ヶ月前にジベレリン処理を行った際の効果は、植え付け前処理と同等であり、小粒いも数は同様に増加する(表2)。処理時期は、原種種いもの受け渡し時期に応じて、適宜、設定できる。
  4. ジベレリン処理を行って生産されたいもを、翌年度に種いもととして栽培した場合、無処理区産の種いもと比べて、いずれの地上部形質および収量形質においても違いは生じない(表3)。これらから、ジベレリン処理によって生産された種いもの特性・形質は、無処理で生産された種いもと同等と評価できる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:バレイショ採種生産者および生産団体
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:北海道のバレイショ採種地域に200ha
  3. その他:現状では、登録範囲が種いも生産に限られている。生産物を食用・加工用へ転用するには、食用バレイショ栽培への登録拡大が必要であるが、それに求められる残留性試験は進行中であり、近年中に食用バレイショ栽培にも登録拡大される予定である。なお、種いも消毒剤との混用処理時の効果は、現段階では確認されておらず、効果を確実に発揮させるためには、現時点では種いも消毒後に、本剤を単独で使用する必要がある。
図表1 236642-1.jpg
図表2 236642-2.jpg
図表3 236642-3.jpg
図表4 236642-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2013/13_008.html
カテゴリ 加工 コスト 低コスト ばれいしょ

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