イネ体内のイネ南方黒すじ萎縮ウイルスの局在とセジロウンカのウイルス獲得条件

タイトル イネ体内のイネ南方黒すじ萎縮ウイルスの局在とセジロウンカのウイルス獲得条件
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2011~2013
研究担当者 松倉啓一郎
砥綿知美
酒井淳一
大貫正俊
奥田充
松村正哉
発行年度 2013
要約 イネ南方黒すじ萎縮ウイルスは感染イネの葉鞘に高濃度で存在する。セジロウンカによる本ウイルスの獲得率は吸汁するイネ体内のウイルス濃度に依存する。また、セジロウンカは感染後約10日目の無病徴のイネからもウイルスを獲得できる。
キーワード 水稲、セジロウンカ、イネ南方黒すじ萎縮ウイルス、海外飛来性害虫、リアルタイムPCR
背景・ねらい イネ南方黒すじ萎縮ウイルス(SRBSDV)は、2010年に九州の飼料用イネ圃場で国内初の発生が確認された。本ウイルスは、2001年に中国南部で初発生が確認された新規発生ウイルスであり、感染したイネに草丈の萎縮や葉先のねじれ、葉脈の隆起などの症状を引き起こす。本ウイルスはセジロウンカによって媒介されることから、SRBSDVを保毒したセジロウンカの中国大陸から日本への長距離移動に伴って、国内に本ウイルスがもたらされたと考えられる。
本ウイルスは新規発生ウイルスであることから、感染後から発病までの過程や感染植物内でのウイルスの動態、セジロウンカによるウイルス獲得率など、防除指針確立のための基礎情報が十分に得られていない。そこで、感染株内でのSRBSDVの局在部位を明らかにし、感染植物体内でのウイルスの増殖状況とセジロウンカによるウイルス獲得率の関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. SRBSDVは、発病したイネ体内の葉鞘部に高濃度で存在する。他の部位からもウイルスは検出可能であるが、成長点からは検出されない(図1)。
  2. セジロウンカの感染イネからのウイルス獲得率は、イネ体内のウイルス濃度が高いほど高くなる。感染後15日以上経過した感染株を5日間吸汁すると、80%以上のセジロウンカオス成虫がウイルスを獲得する(図2)。
  3. セジロウンカは保毒虫放飼後10日目の病徴が出る前のイネからもウイルスを獲得することができる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 感染株でのSRBSDVの局在は、野外で感染株を調査する際の基礎的知見となる。
  2. 本成果で得られた一連の知見は、セジロウンカ体内でのSRBSDVの動態に関する知見等と併せ、今後の被害対策技術の確立や被害予測モデルの開発に活用できる。
図表1 236722-1.jpg
図表2 236722-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2013/karc13_s16.html
カテゴリ 病害虫 害虫 飼料用作物 水稲 防除

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる