| タイトル |
震災により流出した養殖ギンザケが在来サクラマスに与えた影響を探る -交雑個体の有無の調査- |
| 担当機関 |
(独)水産総合研究センター 東北区水産研究所 |
| 研究期間 |
2014~2014 |
| 研究担当者 |
佐々木 系
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| 発行年度 |
2014 |
| 要約 |
東日本大震災時に、海面養殖されていたギンザケが生簀とともに流出し、同年秋に多くの河川に遡上した。遡上したギンザケが在来サクラマスと交雑した懸念があったため、交雑個体の探索を行った。その結果、交雑個体は確認されなかったが、震災年生れのギンザケが数尾確認された。こうした個体が今後、東北の河川に定着、あるいはサクラマスと交雑するか不明であるため、継続して調査が必要と考えられた。
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| 背景・ねらい |
東日本大震災発生時に、宮城県を中心として海面養殖されていたギンザケが生簀とともに流され、ギンザケ養殖業者は壊滅的な被害を受けた。流出したギンザケは同年の秋には、東北太平洋側の多くの河川に遡上し、一部成熟した個体も確認された。ギンザケは本来我が国では産卵しないと考えられており、過去に行われた人工交雑実験の結果で、ギンザケとサクラマスの生存性雑種が確認されていることから、サクラマスの遺伝資源への影響が懸念された。仮に交雑個体がいたとすれば、両種の成熟年齢は3歳前後であることから考えて、震災から3年後である2014年に親魚として沿岸に来遊する可能性が高いと考えられた。そこで、岩手県宮古市場に水揚げされたさけ・ます類を対象に、交雑個体の探索を行った。
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| 成果の内容・特徴 |
岩手県の宮古市場において水揚げされたさけ・ます類(約2,000個体)の形態を観察した。サクラマスとギンザケの外観はよく似ているが(図1)、尾鰭にある銀色放射条がサクラマスに比べてギンザケで明瞭かつ尾鰭全体に認められること(図2)、鰓耙がサクラマスに比べてギンザケで細く長いこと(図3)などから区別可能である。調査の結果、形態的にギンザケとみられる個体は5個体認められたが、その他は全てサクラマスであり、ギンザケとサクラマスの両方の特徴を備える個体は見つからなかった。実際の交雑個体がどういった外観を呈するのか不明なので、最終的には遺伝子解析により判別を行った。
GenBankに公開されている両種のゲノム領域において、特定の一か所だけが増幅されるプライマーを設計し、実際に特定箇所を増幅したときのPCR産物サイズが両種で異なることを利用して判別する方法を確立した(図4)。市場に水揚げされたギンザケ5個体とサクラマス39個体を入手し、この方法を用いて調べたところ、交雑個体は確認されず、震災時に流出したギンザケによるサクラマスの遺伝資源への影響は少ないものと考えられた。
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| 成果の活用面・留意点 |
交雑個体の回帰する可能性が最も高いと考えられた年における調査で、交雑個体が確認されなかったので、生物多様性管理の観点からも重要な知見が得られた。ただし、本調査で確認されたギンザケのうち、2011年生れの個体が数尾確認され、震災時に流出したギンザケの子である可能性も考えられた。こうした個体が今後、東北の河川に定着、あるいはサクラマスと交雑するか不明であるため、継続して調査が必要である。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| 研究内容 |
http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4806&YEAR=2014
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| カテゴリ |
遺伝資源
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