インド型イネの遺伝的背景で広い窒素栄養濃度域で効率良く根を伸長させるQTL

タイトル インド型イネの遺伝的背景で広い窒素栄養濃度域で効率良く根を伸長させるQTL
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2011~2015
研究担当者 小原実広
石丸努
安彦友美
藤田大輔
小林伸哉
柳原誠司
福田善通
発行年度 2014
要約 インド型イネ品種IR64の遺伝的背景をもつ染色体挿入系統YTH183は根の伸長に関する量的形質遺伝子座(QTL)qRL6.4-YP5を有する。qRL6.4-YP5をIR64の遺伝的背景に導入した準同質遺伝子系統は、qRL6.4-YP5が導入されたことにより窒素栄養濃度の変化に良く対応して総根長が大きくなる。
キーワード イネ、準同質遺伝子系統、育種素材、根の形態、IR64
背景・ねらい イネの生産性向上と安定化には、根の機能や形態を改良することが必要である。国際稲研究所で開発されたインド型水稲IR64は、熱帯地域で広く栽培されているとともに、新品種作出の親品種としても広く用いられている。一方、IR64の遺伝的背景をもつYTH183は熱帯や温帯地域でも高生産性が確認されてきているが、その遺伝要因は不明である。さらに、IR64の遺伝的背景において広い窒素栄養濃度域で効率よく根を伸長させるQTLは見出されていない。このためYTH183の根の形態に着目し、それに関わるQTLの同定と作用を明らかにする。このことにより、インド型品種の遺伝的背景を持つ品種群における、根の遺伝的改良のための基礎材料を確保する。
成果の内容・特徴
  1. New Plant Type品種IR69093-41-2-3-2(YP5)に由来する染色体挿入系統YTH183は、IR64に比べて根が長い(図1)。
  2. YTH183は根を伸長させるQTL(qRL6.4-YP5)をもち、qRL6.4-YP5をIR64の遺伝的背景に導入した準同質遺伝子系統(NIL)もIR64に比べ根が長くなる(図1)。
  3. qRL6.4-YP5は第6染色体の長腕の分子マーカー(RM6395RM8242)の間に位置し、YP5に由来する染色体挿入系統群を用いた分離分析では高い寄与率(R2=0.37)を示し、育種利用が容易である(図2)。
  4. NILの根長の総和は、IR64に比べて常に長く、窒素の濃度の増加に伴い根が伸長する(表1)。
  5. NILの最長根は、常にIR64に比べて長く、窒素濃度50 mMまでは根が良く伸長するが、500 mMでは伸長が認められない(表1)。
  6. qRL6.4-YP5はIR64の遺伝的背景で根の本数への関与はない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 根の伸長を窒素濃度に対応して効率よく促進するqRL6.4-YP5は、窒素の吸収・利用に関する遺伝的改良の遺伝子源として利用できる。
  2. qRL6.4-YP5のDNAマーカー情報は、IR64などのインド型品種の遺伝的背景を持つ品種群の根の形態改良のためのマーカー選抜に活用できる。
  3. 育成したNILは、熱帯地域各国で広く用いられているIR64を遺伝的背景としていることから、開発途上地域での食料安定生産に寄与する育種素材として活用できる。
  4. このNILの分譲については、JIRCAS企画調整部情報広報室に問い合わせる。
図表1 236917-1.jpg
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図表6 236917-6.jpg
研究内容 http://www.jircas.affrc.go.jp/kankoubutsu/seika/seika2014/2014_B07.html
カテゴリ 育種 新品種 水稲 DNAマーカー 品種

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