リンゴの自家摘果性品種は摘果作業の省力化に有効である

タイトル リンゴの自家摘果性品種は摘果作業の省力化に有効である
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2011~2014
研究担当者 岩波宏
守谷(田中)友紀
花田俊男
本多親子
和田雅人
発行年度 2014
要約 リンゴの摘果に要する時間は、1花そう内の花数が3花以下になると急激に短くなる。開花後15日で3花以下の花そうが50%となる自家摘果性品種では、摘果作業期間内に一般の栽培品種より40%広い面積を摘果できると推定される。
キーワード リンゴ、摘果、省力、早期落果、自家摘果性
背景・ねらい リンゴの摘果は、隔年結果を防止し、果実肥大を促進するなど、高品質果実の安定生産には欠かせない重要な作業である。摘果は、満開後30日までに終わらせないと、隔年結果防止と果実肥大効果が不十分となる場合があることから、作業が短期間に集中し、大きな負担となっている。
摘果は、所定の着果数となるように花や幼果をひたすら摘む作業であるため、その作業量は着花量に依存している。リンゴ品種の「あかね」と「あおり9」は、早期落果の程度が大きく、また落果時期が早いという特性を有しており(自家摘果性)、これらの品種は満開後30日までに多くの幼果が自然に落果するため、摘果作業の省力化につながると期待されている。そこで、自家摘果性品種の摘果作業の省力効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 花そう内の花数が多いと摘果に時間がかかり、少ないと早い。花そう内の花数が4花、5花、6花では摘花(果)に要する時間に違いはなく、花数が3花以下に減ると、急激に摘果に要する時間は短くなる(図1)。腋芽の花そうを除き、開花後40日までは、摘果に要する時間に摘果時期による差はない。
  2. 早期落果の時期や程度は品種により異なる。自家摘果性品種である「あかね」は、開花後15日で3花(果)以下の花そうが50%程度となる(表1)。一方「つがる」は、「あかね」と同程度早期落果するが、落果時期は「あかね」よりも遅い。「ふじ」や「シナノスイート」は、早期落果量が少ない。
  3. 早期落果により花そう内の花数は徐々に減少していくため、単位面積あたりの摘果時間も日数が経つほど徐々に短くなる。開花後15日で3花以下の花そうが50%となる自家摘果性品種「あかね」は、通常の摘果期間内で、主要な栽培品種(「つがる」、「ふじ」、「シナノスイート」)より40%広い面積を摘果できると推定される(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 花そう内花数の推移を記録することで、図1の花数の異なるそれぞれの花そうを摘花(果)するのに要する時間から、単位面積あたりの摘果時間を推定することができる。
  2. 早期落果の時期および程度は樹勢や気象条件によって変動するため、図2で示した摘果できる栽植面積の推定値は、あくまで表1で示した花そうの頻度変化が起こった場合である。
図表1 237037-1.jpg
図表2 237037-2.jpg
図表3 237037-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2014/fruit14_s12.html
カテゴリ 省力化 品種 りんご

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