キュウリのハイワイヤー栽培における葉面積指数(LAI)の簡易推定法

タイトル キュウリのハイワイヤー栽培における葉面積指数(LAI)の簡易推定法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2010~2014
研究担当者 :安東赫
東出忠桐
岩崎泰永
河崎靖
中野明正
発行年度 2014
要約 キュウリのハイワイヤー栽培において葉位と相対葉面積比(最大葉の面積に対する個葉面積の比、RLA)とでは、近似式が存在する。栽培管理で除去する下葉の葉面積あるいは生体重と葉数、栽植密度が分かれば、LAIを推定することは可能である。
キーワード キュウリ、葉面積指数、相対葉面積比、ハイワイヤー
背景・ねらい 栽培管理において栽植密度の調整や整枝、摘葉などを適切に行うことによって生産性の向上が期待できる。そのためにパラメータとして葉面積指数(以下、LAI)が必要であるが、全ての葉の実測は困難である。栽培管理で除去する下葉の実測値で簡便にLAIを推定できれば、効率的な栽培管理が可能となる。
キュウリのハイワイヤーおよびつる下ろし栽培では、主枝を伸ばして側枝を摘除することから葉が主枝に着生する。葉は生長点から分化・展開し、徐々に大きくなるが、ある葉齢に達すると個葉面積の変化は少なくなる。そのため、生長点に近い葉の個葉面積が最も小さく、下の葉になるほど徐々に大きくなり、ある葉位からは同様な個葉面積となる。すなわち、最大葉面積に対する各個葉面積の比はある一定の変動をみせる。このような特性に着目し、キュウリのハイワイヤー栽培において栽培期間中簡易的にLAIを推定できる方法を提案する。
成果の内容・特徴
  1. 個葉の葉面積と生体重には高い相関関係があり、個葉の生体重から個葉面積を推定できる(図1)。
  2. キュウリの葉位を横軸に、相対葉面積比(以下RLA、m2m-2)を縦軸とした散布図を作成すると、第10葉以上の葉の相対葉面積比は0.8~1.0の間で推移する(図2)。
  3. 葉位とRLAの散布図の近似式および最大葉の個葉面積、栽植密度を利用すると、LAIを推定することは可能である(式1)。
  4. LAIが1.5~4.5の範囲では、最大葉の個葉面積を用いて算出するLAIの推定値と実測値の間には高い正の相関が認められる(r=0.980)(図3A)。なお、回帰式(図1)を用い最大葉の生体重から個葉面積を算出後、同様な方法でLAIを推定すると、最大葉の葉面積から求められる推定値との相関よりは低いものの、同様に高い正の相関が認められる(図3B)。
成果の活用面・留意点
  1. LAIの推定方法は、まず、各葉位の個葉面積を最大葉の個葉面積で割ってRLAを算出する(式1a)。先端からの葉位を横軸とし、RLAを縦軸とした近似式を求め(図2)、株に着生している葉位までの近似式の積分値と株ごとの最大葉の葉面積を用い、株当たりの葉面積を計算する(式1b)。LAIは、株当たり葉面積と栽植密度から算出する(式1c)。
  2. 本LAI推定法は、適切な養水分管理によってストレスが少ない条件下で生育した株を対象とする。また、ハイワイヤーおよびつる下ろし栽培のように、側枝を摘除しながら主枝を伸ばす栽培方法を対象とするため、側枝を利用する摘心栽培では使用不可である。
図表1 237066-1.jpg
図表2 237066-2.jpg
図表3 237066-3.jpg
図表4 237066-4.jpg
図表5 237066-5.jpg
図表6 237066-6.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2014/vegetea14_s02.html
カテゴリ きゅうり 栽培技術

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