多糖類分解性酵素とグルコース併給は暑熱下で豚の窒素消化率低下を抑制する

タイトル 多糖類分解性酵素とグルコース併給は暑熱下で豚の窒素消化率低下を抑制する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2009~2012
研究担当者 芦原茜
石田藍子
京谷隆侍
勝俣昌也
発行年度 2014
要約 暑熱下における肥育豚への多糖類分解性酵素およびグルコースの添加給与は、飼養成績および酸化ストレスに影響を及ぼさないが、豚の消化能が低下する暑熱下では窒素消化率の低下を抑制する。
キーワード 暑熱、肥育豚、グルコース、多糖類分解性酵素
背景・ねらい 肥育豚に多糖類分解性酵素を給与することにより、飼料の消化率が上昇することが報告されている。また、暑熱下で飲水中にグルコースを補給すると、ブロイラーの飼養成績が改善されることが報告されている。本実験では、消化能が低下する暑熱下で、肥育豚に多糖類分解性酵素およびグルコースを給与することにより、飼養成績、酸化ストレスおよび飼料の消化率に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 供試動物は、LWD雑種の肥育前期豚(開始体重約40kg)去勢雄18頭を用い、処理区は、環境温度2水準(23°Cと30°C)下で対照区と試験区(キシラナーゼ、ペクチナーゼの複合酵素である多糖類分解性酵素を0.06%とグルコース5%添加)を設け、計4区とする。23°C下で予備飼育を2週間行った後、不断給餌、自由飲水の条件で4週間飼養する。
  2. 暑熱下における多糖類分解性酵素およびグルコースの給与は、飼料摂取量、増体に影響しないが、肥育豚の消化能が低下する暑熱下において窒素消化率を改善する(表1)。
  3. 酸化ストレスマーカーである全血中スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、尿中8-ヒドロキシ-デオキシグアノシン・クレアチニン比(8-OHdG/creatinine)、筋肉中2-チオバルビツール酸活性(TBARS)は、暑熱下より適温下で有意に高い値を示すが、多糖類分解性酵素およびグルコース添加による影響はない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 暑熱下で豚に多糖類分解性酵素とグルコースを併給することにより、窒素消化率の低下を抑制できるが、適温下の水準には達しない。
  2. 本実験では、飲水中ではなく飼料中に多糖類分解性酵素およびグルコースを混合して給与している。
図表1 237103-1.jpg
図表2 237103-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2014/nilgs14_s15.html
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