タイトル | 気候変動がわが国のコメ生産に及ぼす影響の予測 |
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担当機関 | (国)農業環境技術研究所 |
研究期間 | |
研究担当者 |
西森 基貴 石郷岡 康史 飯泉 仁之直 |
発行年度 | 2015 |
要約 | [ポイント]
[概要]
*1 一等米比率:農産物検査法に基づく所定の検査により得られた、被害を受けたり未熟で色や形が正常でないもの、全く実らず粉状のもの、および異物などを除いた玄米の整粒割合が70%以上のものを一等米としたときの、全検査数量に対する比率を表します。 |
背景・ねらい | わが国のコメ生産では、すでに高温の影響による白未熟粒(*2)の発生や一等米比率の低下などが確認されており、一部の地域や極端な高温年には収量の減少も見られています。白未熟粒などコメの品質低下には、出穂(*3)から 20 日間程度の登熟期(*4)前半の気温が大きく影響し、この期間の気温が特に高かった 2010年(平成 22年)は、北海道を除き品質低下が著しく、北陸や北関東の一部で特に顕著でした。 農環研ではこれまで、主に過去のコメ収量・品質変動を再現できる統計モデルによる将来予測を行ってきましたが、今回、作物の生長過程を再現できるイネ生育・収量モデルによる将来のコメ生産変動予測を併せて行いました。 *2 白未熟粒:デンプンが詰まりきらないうちに登熟が終了してしまった籾粒。デンプンの詰まらなかった細胞には空気の隙間ができ、これが光を乱反射して白く見えますが、この白く見える籾粒を「白未熟粒(シラタ)」と呼びます。登熟初中期に異常な高温状態に置かれると白未熟粒の発生量が増加すると言われています。 *3 出穂:茎の中で、籾の集合体である穂が完成して、茎から出て来ること。 *4 登熟期:イネがその穂に炭水化物を送り込んで溜め込む時期。 |
成果の内容・特徴 |
*5 気候モデル:地球上の大気、海洋、陸域植生などの,比較的長期間の状態(気候)を計算機でシミュレーションするもので、地球温暖化など将来の気候予測に使用されます。 *6 温室効果ガス排出シナリオ:地球温暖化に伴う将来の気候変化予測を行うにあたり、必要な、人口、経済、エネルギー需給、石油に替わるエネルギー技術開発など社会・経済的な側面における、将来の温室効果ガスの排出量を予測したシナリオで、本研究成果では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 4 次評価報告書(AR4:2007)の SRES シナリオを用いています。そのうち、A1b シナリオはエネルギー源のバランスを重視した経済成長シナリオで、1980 ~1990年を基準とした 2090~2099年の温度上昇は 2.8 ℃(不確実性の範囲は 1.7~4.4 ℃)、A2シナリオは地域の独自性を考慮した多元化社会シナリオで、温度上昇は 3.4 ℃(不確実性の範囲は 2.0~5.4 ℃)となっています。 *7 HDD:Heat Degree Day の略で、日々の平均気温から,別に定めた基準温度(ここでは 26 ℃)を差し引いた値を、イネの出穂後 20 日間積算したもの(単位は[℃・日])です。この値が大きいほど、コメ品質が低下するリスクが大きいと考えられます。ここでは基準温度として、 過去の事例から白未熟粒の発生が顕著になる日平均気温 26 ℃を採用しました。 |
成果の活用面・留意点 |
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図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
研究内容 | http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result32/result32_09.pdf |
カテゴリ | 高温耐性品種 水稲 |