アマモ場の生態系機能は葉上動物によって制御されることを世界同時実験により証明

タイトル アマモ場の生態系機能は葉上動物によって制御されることを世界同時実験により証明
担当機関 (国)水産総合研究センター 瀬戸内海区水産研究所
研究期間 2012~2015
研究担当者 堀 正和
発行年度 2015
要約 アマモ場の生態系機能に対する葉上動物群集の影響を解明するため、北半球の15海域で栄養塩と葉上動物多様性を操作した野外実験を同時に実施した。その結果、葉上動物がアマモを被覆する藻類を除去することでアマモの生態系機能を向上させ、その効果は動物の多様性が高いほど高まることが証明された。瀬戸内海の結果では、栄養塩添加は動物多様性が高い場合と低い場合で真逆の影響をアマモに及ぼした。
背景・ねらい 沿岸域が発揮する生態系機能・サービスにおいてアマモ場は重要な役割を担うことが知られている一方で、沿岸開発などの人間活動により世界中で著しく減少してきた。そのため早急な保全対策が必要とされてきたが、その活動において本来のアマモ場の機能が伴う状態にまで回復できた成功例は30%に満たないと報告されている。本研究ではアマモ場の葉上動物多様性が世界各地で減少したことに着目し、その多様性が生態系機能の回復に重要であることを証明するため、各国の研究者とともに共同研究を実施した。
成果の内容・特徴 北半球上に広範囲に拡がるアマモの分布域を網羅するように実験サイトを設置した(図1)。アマモ場内の栄養塩濃度と葉上動物の多様性を操作した野外実験をすべてのサイトで同時期に実施した。操作では、栄養塩は富栄養化を念頭とした施肥を行い、多様性の操作には葉上動物の忌避剤を設置し、栄養塩・多様性の双方を操作した実験区、栄養塩のみ操作した実験区、多様性のみ操作した実験区、対照区の4つとした。

世界各地の実験結果を集約して解析したところ、葉上動物がアマモを被覆する葉上付着藻類を有意に減少させ、それにより生態系機能の指標であるアマモの成長を促すとともに、窒素含有量が増加することが判明した。またその効果は、葉上動物の多様性が高いほど強くなる結果が得られた。瀬戸内海単独の結果では、動物多様性が高い実験区では栄養塩添加はアマモの成長量を対照区より増加させたが、逆に多様性が低い実験区では栄養塩添加がアマモの成長量を有意に減退させる結果が得られた(図2)。

これらのことから、アマモ場の生態系機能の維持・回復には葉上動物の多様性増加が不可欠であることが推察された。また、アマモ場の葉上動物は魚類の餌生物としても重要であることから、稚魚の成育場としての機能にも影響すると考えられる。アマモ場を造成してたとしても、葉上動物が十分に伴わないアマモ場では、アマモが減退することによりアマモ場本来のさまざまな機能が著しく低下することが推測される。
成果の活用面・留意点 本成果は、アマモ場の生態系機能と葉上動物の直接関係を地球規模で示す事例であり、今後のアマモ場の保全再生計画の進展に貢献することが期待できる。
図表1 237523-1.jpg
図表2 237523-2.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5200&YEAR=2015
カテゴリ 施肥

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる