近隣の埋却地は口蹄疫の発生リスクに影響を及ぼさない

タイトル 近隣の埋却地は口蹄疫の発生リスクに影響を及ぼさない
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2011~2015
研究担当者 早山陽子
木村義成
山本健久
小林創太
筒井俊之
発行年度 2015
要約 2010年に発生した口蹄疫の流行データを用いて、埋却に関連する地理的要因と口蹄疫の発生の関係について分析すると、近隣の埋却地や埋却道路の存在は、周辺農場の発生と有意な関係はなく、近隣の豚農場での発生が周辺農場の発生と有意な関連を示す。
キーワード 口蹄疫、リスク要因、地理的要因、埋却
背景・ねらい 2010年に発生した口蹄疫の流行は、急激な感染拡大に伴い、発生農場における家畜の殺処分と埋却作業の遅れを引き起こした。本流行に関するこれまでの研究では、発生農場における防疫作業の遅れが、周辺農場への発生リスクを増加させたと考えられている。一方で、多くの人や車両が行き交う埋却作業もまた、発生リスクとなった可能性があるが、このことについては十分に研究されていない。そこで本研究では、2010年に発生した口蹄疫について、埋却作業と口蹄疫発生との地理的な関連性を分析する。
成果の内容・特徴
  1. 口蹄疫の発生農場、非発生農場、埋却地及び埋却道路の経路を地理情報システム(GIS)を用いてデータベース化する。埋却道路は、発生農場から埋却地までは最短経路を使用したと仮定して、その経路を推定する。
  2. 感染源として、近隣の感染農場、埋却地及び埋却道路を想定し、近隣の感染源の有無について、発生農場と非発生農場で比較する。発生農場はワクチン接種開始前に摘発された農場とする。非発生農場は、発生農場の周辺にある非発生農場から、発生農場と同じ動物種、同等の飼養規模の農場を選ぶ。
  3. 219組の発生農場と非発生農場を分析すると、「農場周辺500m以内に埋却地があること」と「農場周辺200m以内の埋却道路があること」は、発生と有意な関連はない。一方、「農場500m以内に豚の感染農場があること」は、発生と有意な関連がある(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 国と都道府県による口蹄疫対策の検討に有用な知見として提供できる。
  2. 2010年の口蹄疫では、埋却作業時に作業員や関連車両の消毒、病原体に汚染された滲出物等の飛散防止などのバイオセキュリティー対策が実施されており、これらが有効に機能したと考えられる。
図表1 237735-1.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2015/niah15_s22.html
カテゴリ データベース

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