増粘剤等添加物を使用しないグルテンフリーパン製造技術

タイトル 増粘剤等添加物を使用しないグルテンフリーパン製造技術
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究期間 2011~2015
研究担当者 矢野裕之
発行年度 2015
要約 市販米粉のうち、澱粉の損傷や吸水率が低い製品を選択し、発酵・焼成工程を工夫することで、一般的なホームベーカリーやオーブンを使用してグルテン不使用のパンが作製できる。比容積が4程度の、グルテンを添加したパンに匹敵する十分な膨らみをもつ。
キーワード グルテンフリー、米粉パン、増粘剤、損傷澱粉
背景・ねらい 食料自給率の向上は農業・食品研究分野において最重要課題のひとつである。小麦粉やグルテンを使用しない米粉パンは食料自給率の向上に寄与するとともに小麦アレルギーにも対応できる。また、特定の品種や特殊な原料・機器を要せずに製造できれば技術の普及が高まると期待できる。そこで本研究では、汎用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースやグアーガムなどの増粘剤等の添加物を使用せず、基本原料だけで簡便に製造できるグルテンフリー米粉パンである。
成果の内容・特徴
  1. 湿式気流粉砕等で製造され、製パン・製菓用に市販される米粉を原料として使用する。なかでも、澱粉の損傷割合が低く、米粉と水を混合した際に吸水の度合いが低い製品を選択すると4mL/g以上の高い比容積が得られる(図1)。
  2. 基本原料は米粉、水、食塩、油脂(バター等)、砂糖、ドライイーストのみで、小麦粉やグルテン、増粘剤を要しない。市販のオーブンやホームベーカリー等、汎用性が高く安価な調理家電製品を使用して簡便に製造できる。
  3. 本技術は原料の撹拌工程および発酵・焼成工程から構成され、全工程が2時間程度で完了する。発酵・焼成の工程を工夫する(特許出願中「米粉生地泡安定化技術」)ことで、発酵の際にパン生地の比容積を4以上に高め、焼成後にも比容積を4程度に維持することができる(図2)。同じ原料で一般的な方法で発酵・焼成した場合、比容積は3以下である。
  4. 損傷澱粉含有率が5%以上の米粉を使用した場合は発酵・焼成の過程で膨らみが低下し、ふっくらしたパンが作製できない(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象はパン製造事業者、米粉製粉事業者、オーブン・ホームベーカリー等家電製品製造事業者等とする。
  2. 家庭や学校などでもパンを作製することで広く技術を提供できるような普及方法を検討する。
図表1 237777-1.gif
図表2 237777-2.gif
図表3 237777-3.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2015/nfri15_s14.html
カテゴリ 小麦 品種

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