タイトル |
寒地向けでやや早熟期の極多収飼料用米水稲新品種候補系統「北海327号」 |
担当機関 |
(国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2008~2015 |
研究担当者 |
池ヶ谷智仁
梶亮太
梅本貴之
清水博之
松葉修一
保田浩
横上晴郁
黒木慎
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発行年度 |
2015 |
要約 |
「北海327号」は北海道での出穂期が"やや早" に属する粳種である。粗玄米収量が多く、穂ばらみ期耐冷性が強いため飼料用米の安定生産に適する。
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キーワード |
イネ、多収、耐冷性、耐倒伏性
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背景・ねらい |
北海道の飼料稲品種「きたあおば」、「たちじょうぶ」は収量性が高いが、「きたあおば」は、いもち病抵抗性、耐冷性、耐倒伏性が不十分で栽培には注意が必要であり、「たちじょうぶ」は極晩生のため、栽培適地が限られている。そのため、耐冷性、耐倒伏性が強く、主食用品種並の出穂期で安定多収を得られる飼料用米品種を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 水稲「北海327号」は、耐倒伏性に優れ多収の「北海310号(たちじょうぶ)」と耐冷性が強い「札系07227(北海312号)」との交雑後代より育成された(表1)。
- 移植栽培(多肥)での出穂期は「ななつぼし」より1日早く「きたあおば」並の"やや早"、成熟期は「ななつぼし」より3日遅く「きたあおば」より1日早い"やや晩"である(表1)。黄熟期は「ななつぼし」「きたあおば」並である(表1)。
- 移植栽培(多肥)での稈長は「ななつぼし」「きたあおば」より5cm程度短い。穂長は「ななつぼし」より長く、「きたあおば」並である。穂数は「ななつぼし」より少なく、「きたあおば」並である(表1)。
- 移植栽培(多肥)での粗玄米収量の平均は「ななつぼし」より26%多く、「きたあおば」並みである(表1)。
- 穂ばらみ期耐冷性は「ななつぼし」「きたあおば」より強い"強"である(表1)。
- いもち病真性抵抗性遺伝子型は"Pia,Pik-m"および未知の遺伝子を持つと推定され、いもち病圃場抵抗性は葉いもちは"やや弱"、穂いもちは"中"で「ななつぼし」「きたあおば」より強い(表1)。
- 耐倒伏性は"やや強"で「ななつぼし」「きたあおば」より強い(表1)。
- 玄米品質は「ななつぼし」に劣るため識別性がある(表1)。
- 北海道の水稲奨励品種決定試験において、すべての振興局管内平均値で「ななつぼし」を上回る粗玄米収量を得た(図1)。最も多かった優点は「収量」、欠点は「成熟期」であった(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培適地は北海道の上川(中南部)、留萌(中南部)、空知、石狩、後志、日高、胆振、渡島および檜山各振興局管内であり、空知振興局管内で100haの普及が見込まれる。
- 未知のいもち病真性抵抗性遺伝子を持ち、葉いもちの発生は少ないが、葉いもち圃場抵抗性は"やや弱"なので、侵害菌の発生に注意するとともに、発生が見られた時は防除を徹底する。また、穂いもち圃場抵抗性は十分ではないので、適正な防除に努める。
- 種子の入手および増殖に関しては、育成機関に問い合わせる必要がある。
- トリケトン系 4-HPPD 阻害型除草成分(ベンゾビシクロン、テフリルトリオン、メソトリオン)を含む除草剤への感受性は、本系統においては明らかになっていないため、利用に際しては注意を要する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2015/harc15_s08.html
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
寒地
除草
除草剤
飼料用米
新品種
水稲
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
防除
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