パリセードグラス「MG5」のミナミネグサレセンチュウ増殖抑制効果

タイトル パリセードグラス「MG5」のミナミネグサレセンチュウ増殖抑制効果
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2011~2015
研究担当者 上杉謙太
立石靖
岩堀英晶
発行年度 2015
要約 パリセードグラス「MG5」ではミナミネグサレセンチュウRFLP-A型、B型の増殖性が低い。ミナミネグサレセンチュウA型の汚染圃場でパリセードグラス「MG5」を約4ヶ月間栽培した後の土壌線虫密度は、裸地休閑よりも低いか同程度である。
キーワード Brachiaria brizanthaPratylenchus coffeae、サツマイモ
背景・ねらい パリセードグラス(Brachiaria brizantha)品種「MG5」は、栄養価や嗜好性に優れた新規の夏作飼料作物であり、永年性牧草や単年作牧草としての利用に向けて研究が進められている。本草種は優良な飼料作物であることに加え、九州で重要なサツマイモネコブセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウ両種の増殖を抑制することが知られており、線虫抑制作物としての効果も期待される(2010年研究成果情報)。しかし、これら2線虫に関する知見のうち、ミナミネグサレセンチュウについては、線虫1個体群を用いたポット試験の結果が報告されているに過ぎない。本研究では、パリセードグラスにおけるミナミネグサレセンチュウの増殖性をより詳細に検討するとともに、複数年の圃場栽培試験によりミナミネグサレセンチュウ増殖抑制効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. パリセードグラス「MG5」におけるミナミネグサレセンチュウの増殖性は、九州に分布するRFLP-A型(サツマイモに寄生する)、B型(サツマイモに寄生しない)のいずれも低い(図1)。
  2. 「MG5」根内へはミナミネグサレセンチュウRFLP-A型の幼成虫の侵入が認められるが、産卵数が少ない(図2)。既報のネグサレセンチュウ抑制性セイヨウチャヒキ(エンバク野生種)と同様、根内に産下される卵が少ないことが線虫の増殖抑制に関与していると考えられる。
  3. 「MG5」を約4ヶ月栽培した後のミナミネグサレセンチュウRFLP-A型の密度は、裸地休閑よりも低いか同程度であり(図3、4)、後作サツマイモの被害程度も裸地休閑と同程度である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. パリセードグラス「MG5」は、九州低標高地では単年生夏草、南西諸島では永年生夏草に適する暖地型牧草である。
  2. 図2~図4の結果は、ミナミネグサレセンチュウRFLP-A型を供試して得たものであり、B型の根内への進入・産卵や圃場での増殖抑制効果は未検討である。また、栽培期間や播種法などパリセードグラスの栽培条件、線虫の初期密度条件により、増殖抑制効果は変わる可能性がある。
図表1 237851-1.gif
図表2 237851-2.gif
図表3 237851-3.gif
図表4 237851-4.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2015/karc15_s14.html
カテゴリ 栽培条件 飼料作物 播種 品種

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